追憶のオランダ(3)腐った牛乳

オランダで生活を始めた当初、牛乳でちょっと困ったことがありました。近所のスーパーで他の食料品と一緒にパック入りの牛乳を2銘柄、初めて買った時のことです。
牛乳は0.5リットルとか1リットルの紙パックで売られていて、日本とほぼ同じです。家に帰ってその一つを開けると、たった今買ったばかりなのにどうも酸っぱい味がするのです。腐っているんじゃないか?と思い、そこでもう一つの銘柄のものを開けたら、これは日本のものと変わらずに飲める。ということで、その時は店に文句も言わず、それ以降は後で開けた銘柄を選んで買うことにしました。
しばらくして分かったことですが、実際、それは牛乳が腐っていたからでも銘柄の違いからでもなく、牛乳の種類そのものが違っていたからなのでした。また、牛乳は単身生活の時はそれほどたくさん飲むわけでもありませんので、1リットルパックを買ったら、少しずつ飲み、残りは2-3日くらいは冷蔵庫に入れたままになります。ある時、冷蔵庫に入れておいた残りの牛乳を飲もうとすると、何と豆腐状態に固まってしまっているのです。あー、ほんとに腐らせてしまった・・・。これを2-3回やってから、先輩たちに聞くと、オランダは何種類かの組成の異なる牛乳があることを教えられました。一番最初に酸っぱい、腐っているのではと思ったのはKarne melk(写真:赤いパック)といってバターを取った後の発酵している飲み物。なるほど、よく見るとそういう表示になっています。別に腐っているわけではなく、そういう飲み物なんだと、遅ればせながら納得。日本の牛乳と同じだと思っていたものでも簡単に豆腐状に固まってしまうのは、日本のように高温殺菌していないから。どちらかというと牛乳が生きている証拠、したがって足も速いということがだいぶん経ってから分かったのです。つまり、日本の牛乳は長期保存ができるがオランダの牛乳はそれには向いていないということです。さらにそのなかでも、全脂肪の牛乳(Volle melk)と脂肪分を半分に抑えた健康志向のもの(Half volle melk)との2種類があるのです(写真:青いパック)。毎日飲む牛乳でも国が違うとなかなか種類の違いなどもあって、分かりにくいものです。

 

 

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