宮川直遠
オランダ点描(15)城塞都市
幕末最後の戦いが行われたのは箱館(函館)、五稜郭。正五角形の均整のとれた城塞、その故郷はなんとオランダにあり。江戸時代の日本は長崎出島でわずかにつながっていたオランダからそのアイデアだけを受け容れ、現実にその形を再現して […]
オランダ点描(14)オランダ語
「オランダ語は喋れますか?」とよく聞かれますが、残念ながら私は「いいえ。」と答えざるを得ません。その後で、「オランダ語は発音も大変難しくて、結局ほとんど努力せずに諦めました。」と付け加えることにしています。まあ、2-3年 […]
オランダ点描(13)ドラッグ
政府が、地方公共団体が、教会がドラッグを認めているといえば、大抵の方は「まさか?」と思われるでしょう。そう思うのが普通、世界の一般常識だと思います。しかし、視点を少し変えてみると、酒、煙草などの嗜好品も程度の差こそあれ、 […]
オランダ点描(12)美術館
ヨーロッパにはそれぞれの国を代表する立派な美術館がいくつもあります。オランダの絵画と言えば16・17世紀のフランドル絵画から始まりレンブラント・フェルメール・ブリューゲル・ハルスさらにゴッホ等々そうそうたる画家を輩出して […]
オランダ点描(11)電球
ヨーロッパを旅した人はたいてい経験されていることでしょうが、オランダもやはり例外ではありません。というのは、ホテルであれ、家庭であれ、室内の照明が一様に薄暗いということです。旅先の一流ホテルの部屋でも、夜は部屋中の照明を […]
オランダ点描(10)シンタクラース(シントさん)
オランダにはほんとに年2回クリスマスがあるの? そう、あるんです。 世界中で一般的にクリスマスと言えば、キリストの誕生日を祝う12月25日です。しかし、ここオランダではさらにもう一つ祝うべきクリスマスがあるのです。それは […]
オランダ点描(9)山
オランダに山はありますかという質問には答えにくいですね。ですが、オランダの海抜最高地点はどこですかと尋ねられれば、南部のリンブルフ州にあって、海抜は320m強ということになります。ただし、北部から比べるとドイツ国境に近い […]
オランダ点描(8)泥棒
盗難の頻発する地域、すなわち治安の悪い地域で住むことを敬遠したくなるのは当然です。たしかに、泥棒被害が頻発するとなると、どうやって防ぐかということをまず一度は真剣に考えるでしょうが、相手はその道のプロ。普通の民間の住宅に […]
オランダ点描(7)窓
限られた乏しい経験から敢えて大胆な事を言わせて頂くとすれば、ヨーロッパの一般的な住宅を比べた時、オランダの窓が一番大きいのではないでしょうか。窓の大きさの違いには、それなりの理由があると思われます。 北の国では冬の寒さを […]
オランダ点描(6)ニシン
現在、日本ではニシンはそれほど一般的な魚ではなくなったようです。京都の身欠きニシンをのせたニシン蕎麦などは有名ですが。ただ、その卵である数の子は今も昔も正月には欠かすことのできないものです。しかし、ここオランダでは少し事 […]
オランダ点描(5)キス
オランダで一番戸惑ったのが、これでした。初めて会った女性がいきなり顔を近づけてきて、チュッ、チュッ、チュッとキスするではありませんか。しかも、右頬、左頬、右頬と、3回も。そして、また帰り際にもチュッ、チュッ、チュッ。男同 […]
オランダ点描(4)木靴
大きなお椀のように見える木靴。クロンペンというのがその名前です。日本のポックリと同じように、履いて歩く時の音をそのまま名前にしたように思えます。 履き心地?あまりよさそうには思えません。昔は藁などを緩衝材として入れて、大 […]
一外交官の見た明治維新(岩波文庫)
今年は明治維新から150年の節目の年。 この本は、アーネスト・サトウという若き英国人が外交官として幕末の動乱期から明治初め(1862年から69年まで)の間に自身が経験したことを書いたものである。英国公使オールコックやパー […]
オランダ点描(3)風車
オランダといえば、風車という程に有名ですが、現在オランダ中に一体何基の風車が残っているのか残念ながら私は正確な数を知りません。うーん、当て推量ですがざっと1000基といったところでしょうかね。 一口に風車といってもその形 […]
オランダ点描(2)運河
何百年も数知れず多くの人々が踏みしめ、あたかも石工が最初から磨き上げたように光沢と丸みを帯びた街なかの石畳の細い道。その道に沿って静かに水をたたえている運河。水面は地面からわずか20センチあるかなしかで、考えようによって […]
オランダ点描(1)デルフトタイル
はじめに これから何回かにわたって掲載される文章は、筆者が仕事の関係で1990年代の約6年間をオランダのロッテルダムで過ごしていた時に、日本の知人に生のオランダの様子を伝えようと「オランダ点描」と題して折に触れ書き送った […]