英国探訪4 ハンプトン・コート宮殿

前号でヘンリー8世は6人の妻を娶ったが、彼女たちが辿った運命は、
①離婚 ②打ち首 ③死別 ④離婚 ⑤打ち首 ⑥生き残り
であったと書きました。

今日は、五番目の王妃はどうなったか、というお話です。

舞台は、ハンプトン・コート宮殿です。英国にある少なからぬ世界遺産の一つでもあります。実は、ここは幽霊が出るので有名なスポットなのです。英国では日本のように神社で霊を鎮めるという儀式がないためか、この世に恨みつらみを残した王妃などが幽霊となってさまよっているようです。(と決めつけたように書くのもなんですが)

こちらに出没する幽霊がヘンリー8世の5番目の王妃である、キャサリン・ハワードなのです。

彼女は19歳で結婚、かたやヘンリー8世は49歳。1540年に挙げた婚礼からわずか1年で、密通の嫌疑をかけられキャサリンは囚われの身となります。

しかし、ハンプトン・コート宮殿の自室から抜け出し、国王がいるチャペルの向かったところを監視兵に捕まり、泣き叫びながら連れ戻されます。

結局、キャサリンはロンドン塔に送られ、斬首刑に処されました。ちなみにこの時代はギロチンはまだありません。まさかりのお化けみたいな刀で首を切り落とされたのです。

それ以降、ハンプトン・コート宮殿のチャペル前の廊下には泣き叫びながら走るキャサリンの幽霊が現れるようになったとのことです。

ところで宮殿の写真を見てください。右側の写真は宮殿の一部を拡大したものですが、窓になにやら女性の顔のようなものが映っていませんか。

 

風戸 俊城

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