笑説「ハイムのひろば」26~蝶図鑑トラブル発生
私は西野敏彦。ホームページ「ハイムのひろば」グループサイト全体のグランドデザインと技術的フォローを受け持っている。2018年4月のオープン以来、多少の紆余曲折はあったにしても3年半の間、つくり隊メンバーと共にそれらを何とか順調に維持運営してきた。
その間いくつかの姉妹サイトもでき、世間一般には珍しい形で進化してきたことにメンバー全員誇りに思ってよいと思う。中でも、緑の環境委員会とハイム蝶百科図鑑は目覚ましい発展を遂げ、このところ閲覧数では親サイトのハイムのひろばをも凌ぐ勢いを見せている。この2つのサイトを切り盛りしているのが宮下直近である。
その宮下から久し振りに電話があった。コロナ禍の状況もかなり改善に向かっているので、ひょっとして一杯やろうという誘いかと思ったら、とんでもない、蝶百科図鑑にアクセスできないという知らせだった。1年半前のWSOD事件以来大きなトラブルは暫くなかったのでまさかとは思ったものの、チェックしてみて愕然とした。
ハイム蝶百科図鑑にアクセスを試みたが、たくさんの蝶がデザインされた馴染みのあるあのトップバナーが現れない。というより、エラーと表示されアクセス自体が出来ない状態になっている。これまでに遭遇した最大のトラブルはハイムのひろば本体の画面が何も見えない状態になったことだった。あの時の宮下の「ひろばが真っ白です!」という言葉がそれを象徴していた。
画面が真っ白になるこの現象は「WSOD(White Screen Of Death:死の真っ白画面)」と呼ばれよくあることなのだ。画面が真っ白になり何も見えない状態ではあるが、実は少なくとも繋がってはいるのだ。しかし、今回はエラーと表示が出ており、繋がっていない。これまでに経験したことのない初めてのトラブルである。20年の経験からどんなトラブルにも驚かなかった西野も今回だけは少し不安がよぎった。(世間では「Go to "トラベル"」の再開が始まったようだが、「Go to "トラブル"」だけは勘弁してほしいものだ!笑)
繋がらない原因がもしサーバー側にあるのであれば、サーバーに任せておけば修復してくれる。もし別の要因、例えばWordPress上の問題であるとしたら、少し厄介になる。何故なら、サーバーはWordPressを提供してはいるが、WordPressの取り扱いについては責任を負わないし指導もしていない。そのことは規約にはっきりと明記されている。
いずれにしても、修復にはスピードが大事だ。まずは事の次第をサーバーに連絡し、助言を要請することが先決だ。今までのサーバーとのやり取りで、参考になる助言があり自己解決に繋がったことがある。最終的に自己解決しか道がなければ時間をかけてでも自分で修復するしかない。はたして宮下がどう言うかはわからないが、西野は最悪の場合、責任上いちから作り直す覚悟はある。
しかし、何故大きなトラブル発生・発見は、いつも宮下からの電話で始まるのか。それには理由がある。彼は、自分の管理するサイトを毎日フォローしているからである。それは、自分の趣味のためだけではなく、既に多くの固定ファンがついており、彼らを楽しませたいと思うからである。ここまで熱心にホームページ作りに取り組んできた人物はハイムでは宮下を置いて他はいない。
ハイム蝶百科図鑑は、もう一人の蝶博士、松田隆と一緒に近くで見かける蝶の生態をこまかく観察し、興味深い記事を毎日アップしてファンの目を楽しませている。緑の環境委員会は委員長として、ハイムの樹木を毎日見て廻り、枝の一本、葉の一枚にまで気を配り、観察記事を書いて報告している。西野は普段、立場上姉妹サイトを含めてすべてのサイトを巡回て廻る必要があるが、これら二つのサイトについてはもう彼ら二人に任せている。それだけ実力もついている。
それを思うと1時間でも早く復旧させたい。この時、西野の頭の中には、「大丈夫、今までどんなトラブルになっても全て一人で解決してきたではないか」という自信と「最近、手の痺れがあってマウスの操作が不如意のところがあるので、ひょっとして何かの拍子に必要なフォルダやファイルを削除してしまったのではないか」という不安が交錯していた。この時期丁度、最近廃止した別のサイトの不要なフォルダやファイルの削除作業を行っていたからだ。もしや、手元が狂ったのか?
サーバーに連絡をした後、自分で修復できる方法を模索するうちに、西野の頭の中にはある情景が浮かんできた。「宮下さん、もう少し慎重にマウスを操作していればこんなことにはならなかったはずだ、これは私の責任です、本当に申し訳ない。」と宮下に対して懸命に頭を下げている場面である。一方で、今回も冷静に対処した結果、「ああ、すぐに復旧出来てよかった!ほっとした!」と胸を撫でおろしている情景だ。冷静な自分を信じながらも、もう一方で、自信を無くしかけている。(西野には自分を俯瞰で見る癖がある。)
結果的に、ことは良い方向に進んだ。サーバーからの回答は通常48時間以内という決まりがあるので、週末を挟んで月曜日になることも予想された。ところが最近は比較的早めに回答してくれることが多く、今回も翌日には返答があった。目的のサイトにアクセスするためのファイルやフォルダがたとえ削除されていても復元することは可能との返事だ。これで致命的なことだけは避けられ、迷惑をかけることはなさそうだ。
復旧のための作業時間は少しかかったが、最終的に、直近の11月16日現在でバックアップされていたデータがすべて戻った。(Back to 2021-11-16)つまり、17日以降の日付でアップロードされたデータは未だアップされていない状態なので、消えたかたちになっている。事が起こったのが17日だったので幸運にも最小限のロスで済んだ。消えていた写真の数を宮下に確かめると、20枚ほどだったのですぐにアップできたとのことでほっとした。
今回のトラブルの確実な原因は不明ではあるが、何とか解決に至った。これは、サーバーと契約していたバックアップ機能が効果的に働いたことによるものだ。データのバックアップが有効であることは理論的には理解していたが実際に利用したのは初めてのことだった。その意味では、西野自身も勉強になった訳で一歩前進と思える。今後、同様のトラブルが起こったとしても冷静に対処できる自信が出来た。
(一旦は終了した「笑説ハイムのひろば」であったが、結局のところ続いている。今後ハイムでのこの活動が続く限り、笑説も続けざるを得ないのかもしれない。)
(蓬城 新)