シンゴ旅日記インド編(その21)インドと日本の神様の巻

インドのバラモン教、ヒンドゥー教は日本人にとって遠い存在ではありません。
バラモン教、ヒンドゥー教の神々が日本の仏教、密教の中に多く入って来ているのです。
その姿は頭が3つ、4つあったり、手が4本、中には千本もあったりする姿が多いようです。
本当は“仏”像と言ってはいけないのでしょう。
ヒンドゥー教の神々は中国で漢訳され日本に入って来ました。
その時ヒンドゥーの神様たちに『天』が付きました。
サンスクリット語の『デーヴァ』です。『デーヴァ』は男神、『デーヴィ』は女神です。ねっ、夫人。

さてここで質問です。日本の七福神の中に何人のヒンドゥーの神様がおられるでしょうか?

それではインドの三大神からです。
絵の左からブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神です。

ブラフマー神 :『梵天』創造担当です。
宇宙の根本原理を表しますい。頭4面です。
仏陀が悟りを開きその内容を人に言わないでおこうと考えて
いた時にこの梵天が現れ教えを説くことを要請したと言います。(『梵天勧請』)
でもこの神様、現在ではあまり人気がありません。
神様の相談役的存在です。

シヴァ神 :『大自在天』『大黒天』『湿婆天』『不動明王』破壊の担当です。
色が黒いのでアーリア系でなく土着のドラヴィタ系の神様をバラモン教が取り入れて行った時に取り入れた神様と言われます。
この神様は三つ目と頭からガンジス川の水を噴出しているのが特徴です。そしておチンチンを象徴する足元にあるリンガです。
踊りの旨い神様とも言われます。
日本では『オオクニヌシ』の『大国』が『ダイコク』=『大黒』と読めるところから大国主命と同一視されています。
大黒様ですから七福神の一人です
このシヴァ神はインドではヴィシュヌ神と人気を2分する神様です。
また乗り物が牛のナンディンです。
菅原道真の天満宮にも牛が祭られていますよね。
菅原公の神名は『天満自在天』です。
神仏習合の結果シヴァ神と菅原公が同一視されてしまいました。
ヴィシュヌ神:『那羅延天』繁栄維持の担当です。
この神は10も20も化身するのです。
魚や亀などなどの他に『ラーマーヤナ』の『ラーマ』、インドで一番人気の『クリシュナ』そして、なんと『仏陀』も彼の化身の一つなのです。
その人気の程はインド人の名前にラーマとかクリシュナという人が多いことからもわかります。

このヴシュヌ神もシヴァ神同様バラモン教が仏教、ジーナ教にその地位を脅かされてきたときに土着の神々を貪欲に取り入れてヒンドゥー教と形を変えていく時に生まれたようです。
インドを、インド人を見るときにこれらヒンドゥー教の神々の生成過程を見逃すわけには行きません。

現在インドのヒンドゥー教徒は人口の81%で、仏教徒は0.8%です。
その間にイスラム教が13%、キリスト教が2.3%、シーク教が1.3%います。

次は3大神の奥方です。
サラスヴァティー :『弁才天』 ブラフマー神の妻です。
本来は学問と技芸の女神です。また河川の神です。
ヴィーナという楽器を持っています。
この女神の乗り物は孔雀なのですが、白鳥が夫の乗り物なので白鳥と一緒に時々描かれます。
サンスクリット語やヒンディー語の文字であるディーバナーガリー文字の発明者と言われています。
日本では利殖、蓄財の神として弁才天の『才』が『財』に変わり『弁財天』になりました。七福神の一人です。
弁財天の琵琶をヴィーナに持ち替えただけで姿は一緒になりますよね。そして弁財天は水と関係深いですよね。日本中に『銭洗い弁財天』がありますよね。

 

 

ラクシュミー :『吉祥天女』または『吉祥功徳天』 ヴィシュヌ神の妻です。
冨と幸運と豊穣の女神です。夫が化身するたびに奥様も化身します。クリシュナとルクミニーに、ラーマとシータに。
インドの正月ディパーバリー(灯明の列、旧暦10月)はこのラクシュミーを家に招き入れるために夜に家に明かりをと灯すのです。右の絵は象2頭が幸福の水を背中からかけ、右手から金貨が零れ落ちるという冨の即物的な表現です。
この女神は古くは『毘沙門天』(財神クべーラ、別名多聞天)の妻とされていました。
毘沙門天は七福神の一人です。
吉祥天女は日本では前述の『弁財天』にランクを奪われました。

 

パールヴァティ :『雪冰天女』 シヴァ神の妻です。
ヒマラヤの山神ヒマヴァットの娘でガンジス川の女神ガンガーとは姉妹です。
左の絵はシヴァ神ファミリーです。
パールバティは軍神スカンダやインドで一番人気の神ガネーシャの母です。
右の絵はシヴァ神との一体図です。男女一体となって神も力を出すようです。神様も女性は強いのです。
日本ではあまり知られていませんよね、この女神。

インドの神様は一夫多妻制です。
前述のシヴァ神の妻パールヴァティが女神の温和な面を表しているのに対しシヴァ神の別
の奥様たちの中に武器を取り激しく戦う女神がいるのです。

ドゥルガー(右の絵):別名のヴィカラーラから『畢婆迦羅』です。
10本の腕に様々な武器を持ち、トラあるいはライオンに跨って描かれます。やさしい顔立ちなのに怖い女神さまです。

 

 

 

 

カーリー神:『瑠璃圣母』
ドゥルガーの分身と言われます。
また黒き者の意味です。アーリア系ではないですよね。
頭10面、手10本、足10本。血と酒と殺戮を好む女神です。
髑髏を繋いだ首飾りをしています。
大勢のアスラを殺し勝利のダンスに踊り狂い世界が振動し壊れそうになりました。その時シヴァ神が彼女の足と大地の間に入ってクッションとなり、衝撃を吸収しました。カーリー神がそれに気付いて踊りを止めたと言います。絵ではカーリー神が夫を踏んづけたことに気がついて『しまった』といって舌を出したといわれています。南インド、特にベンガル地方で絶大な人気があるようです。
その他の有名神たちです。
インドラ神 :『帝釈天』 雷を操る神です。
インドの2大叙事詩の中の一つのラーマ・ヤナ物語では天空の神です。
ゾロアスター教では魔王です。寅さんの映画に出てくるお寺の守護神です。
『梵天』と一対で描かれることが多いようです。仏教では東方を守る神です。

ガネーシャ :『聖天』『歓喜天』 ご存知シヴァ神の長男。スカンダの兄。
インドで宗教儀式を行う場合の進行役みたいな存在です。

スカンダ :『韋駄天』 別名クラーマから『鳩摩羅天』(鞍馬天狗?)。
スカンダと言う名前はイスカンダール(アレクサンダー大王)からとする説もあります。
また彼がお釈迦様のために駆け巡って食物を集めたので『ご馳走』という言葉ができたとか。

ガルーダ :『迦楼羅天』 インドでは鳥が毒蛇を食べると信じていました。
その鳥への崇拝から現れた神?
きっと蛇を崇拝する部族と戦った鳥族を表していると思います。
人間の胴体と鷲の頭部、嘴、翼、爪を持つ姿で現わされます。
ちなみにインドの国鳥は『孔雀』です。不死の鳥です。
インドネシアでは国営航空会社の名前になっています。
タイの王様のシンボルでもあります。

アスラ :『阿修羅』
本来は神族であったのですが、呪術面が強調され悪になりました。
漢訳の『阿』が子供の『ちゃん』にあたるため修羅とも呼ばれる。
『修羅場をくぐる』『修羅のごとく』です。
興福寺の阿修羅像有名ですよね。

その他:ヴァルナ『水天』、アグニ『火天』、ラーヴァナー『羅刹』(ラーマと戦ったランカー島(スリランカ)の魔族)、ヤマ『閻魔』(太陽神の子であったが、最初の人間になり最初に死んだ人間となった)など大勢います。

日本の古事記、日本書紀の神様たちももっと頑張らねば。ねっ、アマテラース神。
なお、七福神のメンバーは恵比寿、大黒、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋です。

丹羽 慎吾


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