シンゴ旅日記インド編2 赴任後初めての買い物の巻

(筆者がインドに駐在した2010年代に体験したことを日記風につづっています。)

インドに来て3週間が経った日曜日に初めて町に買い物に行きました。

前任者に教えてもらったドラフジというスーパーです。そのスーパーのある通りの名しか知らないので他のところに行くことができないのです。

アパートから外に出て、炎天下で10分くらい待っているとオートが来ました。

私が運転手に言いました。『MGロード、ドラフジ。』 すると運転手は首をイヤイヤのように左右に振ります。これは理解したとの合図です。インド人のこの仕草に日本人は面食らいます。最初の頃は「ノー」と言っているのだと思うのです。

MGロードとはマハトマ・ガンジー通りのことです。大きな町には必ずある大通りの名前です。

町に入りました。前来たところです。問題ありません。ドラフジに着きました。運転手に料金を聞きました。

運転手は背中を反らせて後部座席との間の料金メーターを見ます。そして胸のポケットから換算表を出して確認して45ルピー(90円)と言いました。

私は50ルピー札を出しました。すると『5ルピーのお釣りがない』との返事です。

またですか。アジアではどこでも使い古されたセリフです。意地悪したくなりました。

『10ルピーはあるか?』と私は聞きました。『ある』との回答です。

『じゃ、55ルピー払うから10ルピーのお釣りをくれ』と私が言いました。そうすると運転手が『オー、あった、あった。』と5ルピー札のお釣りをくれました。

余談ですが、インドのお札は種類が多いのです。5、10、20,50,100,500,1000です。

1000ルピー札はあまり流通していないので、10万円を両替して5万ルピーをもらうと、時にすべて500ルピー札となることがあります。お札10枚が100枚になるのです。

オートを降りると物貰いの人が数人寄ってきました。子供を抱いた女の人が私のひじを手でつついて掌を上に向けて督促します。つらいのですが振りほどくようにスーパーに入る階段を登りました。

入り口で手荷物を預けます。預ける方が危険じゃないのと思います。パスポートは家に置いてきたし、リュックの中は手帳とボールペンだけと一瞬確認してから、手荷物を預けて、番号札をもらい中に入りました。

このスーパーは外国人やインド人のお金持ちが来るところです。品数は豊富です。冷凍ものもありますが、どのように調理したら良いか分らないのでパスします。

ニンジンとカリフラワーを細切れにして入れたこぶし大の包みがあります。早速カゴに入れました。ねぎ、にんにく、もやしのようなものも買いました。

他にミルク、卵、お酒のつまみのチーズ、バター。

日清のカップヌードルも買いました。カップヌードルにはベジとノン・ベジがあります。

日本の国旗のように四角のなかの赤丸は肉食できるノン・ベジ、緑の丸は菜食主義者のベジです。

インドの日清カップヌードルはどんな味がするのだろうと『チキン』と『ベジ』の2種類を買いました。カップを見ると日清の工場はあのITの町バンガロールと書いてありました。

勢いでスパゲッティも買いました。でも具をどうするかが問題です。「いいか、さっき買ったニンニクでぺペロンチーノにしよう」と考えました。

化粧品コーナーに来ました。ヘア・ブラシを探します。やはり豚毛の物がない。あるのは間隔のあいた針金のブラシと櫛だけです。

これは1857年のセポイの乱と同じです。あのインド独立のさきがけとなった大反乱です。日本では江戸から明治に入る直前の時のことです。

私の次の推理は当たっているのでしょうか?

セポイの乱の二次的原因は英国の新式銃の玉の込め方にあります。先込め式から元込め式に換わり、その火薬包を口で噛み切る必要があったのです。

その火薬袋は豚脂、牛脂でできていました。牛を神聖視するヒンディーと豚を不浄視するイスラムの兵士(セポイ)が反乱を起こしたのです。当時インドの兵士はエリートでした。その彼らが宗主国を転覆しようとしたのです。でも結局イギリス側に鎮圧されてしまいました。

豚はインド人にとっては食べたり、肌に触れてはいけないものなのです。

だから私の愛用する豚毛のヘアーブラシがインドに見あたらないと思っているのです。実はこのブラシをインドに持ってくるのを忘れたのです。

買い物終えてレジへ行きました。3列あるレジ台の真ん中で勘定してもらっていました。

両側のレジにはお客様はいません。年配の女性が私の後ろに並びました。レジの人がその女性に右側に行けといいました。女は聞こえないのか私の後ろに並んだままでした。右のレジの係りは知らん顔して外を見ていました。

このスーパーには私が買いたかったサンダルと靴ベラがありませんでした。

スーパーを出ると道の反対側に大きなモールがありました。なかなか高級品の多いモールです。マクドナルドも入っています。本屋さんがあったので入りました。

インドの経済週刊誌買いました4冊で115ルピー(230円)。紙袋をよく見ると新聞紙でできています。『もったいない』の小泉元首相が喜びそうです。

二階に上がりました。書籍売り場です。

ヒンディー英語辞典、英語―ヒンディー辞典とCD付きヒンディー入門書、それに黒澤作品のDVD3本買いました。これで2,500ルピー(5000円)。

購入した黒澤作品は『天国と地獄』『1963年)、『まだだよ』『1993年)、『静かなる決闘』(1949年)です。他には『羅生門』『用心棒』などありました。一枚700円くらいです。

私のアパートにテレビ受像機はあるのですが、ケーブルテレビです。前任者は契約していたのですが、私はしていません。

DVDプレーヤーで昔タイで買った日本の映画を観ているのです。荷物が増えてきましたので本屋さんを出ました。

モールの地下にREEBOKの靴屋さんがありました。

サンダルを買いました900ルピー(1800円)。そんなに高いとはその時は思いませんでした。勢いで勝ってしまったのでした。単品ではこれが一番高い買い物です。

買いすぎです。もう帰ろうとモールの前で待つオートにアパートの住所を告げました。

最初の運転手は『100ルピー』と言いました。えっ、メーター料金じゃないのですか。

次の運転手は『80ルピー』。最後の運転手は『70ルピー』でした。仕方がないので70ルピーで手を打ちました。

オートは方向指示器がないので右折、左折する時は運転手が手を車外に出して合図します。日本の自転車と同じです。でも太った運転手が手で合図する姿は相撲取りが賞金もらうときの前掃いみたいです。

その夜、バスルームの温水器配管から水漏れあり。これまたいろいろありました。別の機会に書きます。


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