シンゴ旅日記インド編(その59)川柳単身赴任の巻の巻

インドの単身生活のあれこれを五七五で綴ってみました。

(朝の部)

コーランと ハトのクルルで 目を覚ます     ハトってうるさいです。肉は美味しくないのかなあ。

目覚ましを セットせずとも 目が覚める     昔は鳴っても遅刻したのに、歳の所為か。

今朝もまた ヤカンに火を点け ヒゲを剃る    火を点けるのはコンロにです。主夫、朝一番。

ニンニクと ゴキブリ小ぶりな 台所           写真でお見せしたいくらいのコキブリです。

お茶頂戴 言っても何も 出てこない         すみません、日本ではわがままな夫です。

この国で タマゴご飯は 夢の夢               命と引き換えにと言うわけにはいきません。

圧力鍋 買ってはみたが 棚の中             インド料理をマスターしようと思ったのですが。

賞味期限 それは自分で 決めるもの       舌にビリッときたら捨てればいいのです。

洗いもの 私がしなきゃ 溜まるだけ          お茶碗も洗濯もです。

この国で 裁縫上手に なるかしら            『西方浄土』はもっと西の方でしたっけ。

洗う度 なぜか靴下 単身赴任               洗いものでペアなのは靴下だけです。

ひとり言 鏡の我が 話してる                   ノイローゼの始まりでしょうか?

コンロの火 消したはずだが Uターン         ゆで卵の爆発が2回、点っ放しで寝たのが一回

アパートの 鍵をかけたか 今、会社         きっと誰も来ないでしょう。ガードマンもいるし。

牛たちが 学生たちと 通学路                 時にはヤギの群れも引率されて歩いています。

ラクダ行く サファリのような 大通り          鳥が豚の上に乗っているのを見た時はビックリ

ニューデリー 牛の都と 人は言う            昨年のコモンウェルズ・スポーツ大会で牛は排除?

助手席は スターウォーズの 心持ち        車の運転マナー。とても前を向いておれません。

インドでは 挨拶代わりの クラクション       やたら鳴らすのです。うるさいったらないです。

朝寝てる 帰る時にも まだ寝てる            これ守衛のおじさんです。『まだ、もう』の盗作。

(昼の部)

遅刻して 理由並べる 百八つ                どんなことでも言い訳になります。

沈黙が 金にはならない インド人             この国では『沈黙は無知』となるのです。

まずは聞け 聞いて話せと 叱る我           毎朝、朝礼で部下に怒鳴っています。

電話かけ かけた私が 聞き役に             こっちが用があるから掛けたのですよ。

電話取る お前誰だと 聞いて来る           あなたは一体誰にかけたんですか。

今日もまた 待つことだらけ 明日を待つ    あせらず、あわてす、あてにせずです・

笑顔みせ 問題ないと 首ゆらす             問題ないが問題なのです。

道聞けば 皆親切に 右左                     違っていても知らないとは絶対に言いません。

物乞いが いけ高々に 金せびる             10ルピー(20円)で嬉々とし、お礼なしで去ります。

レストラン どの鍋見ても カレー鍋            カレーライスは日本の料理です。

インド料理 カメラに収めりゃ 同じ色         赴任当初にメニュー作ろうとしたのですが

日本でも 寿司オニギリは 手でつまむ      別に手で食べたって問題ないですよね。

ダイエット バナナ一本 二円なり             ダイエットと節約の一石二鳥ですよ。

12億 モンスーン頼みの 食・事情          この人たちがマグロ食べだしたら大変です。

12億 井戸の中の 蛙かな                    世界は自分たちのために

母国語は ヒンズーよりも 英語なの?      方言が何百もあれば仕方ないです。

インドでは 牛の糞も 信心から                日本は鰯の頭ですよね。

釈迦の国 どこに行っても 象の像            ガネーシャは神様の司会者、玉置宏です。

いつからか 解脱しないで 金儲け            ちょっと日本のお寺さんをからかってみました。

日本では 誰もが死ぬと 受戒僧             戒名って本来は出家し、僧になる時貰うのです。

ワシの骨 流せと言ったに 塔の下            お釈迦様はきっと怒っておられるでしょうね。

菅公は 俺のことかと シヴァが言い          同じ自在天なものですから。

ムスリムが 世界で2番目 ヒンズー国       なんせ12億人の13%がイスラム教ですから

三国は 天竺唐土 して日本                  昔は三国一の美人、花嫁って言いましたよね。

駐在し 日本が浄土に 見える日々          日本は極楽です。本当に天国です。

この国を 誰がアジアと 名付けしか          インドはアジアじゃございません。中近東です。

アデランス きっと売れない シーク教            きっと髪の薄いシーク教徒もいるでしょうに。

ムンバイと 名前変えても ボリウッド            ボンベイの方が有名ですよね。

この国で トンコツラーメン 客がない              イスラムもヒンズーも豚を食べないのです。

吉野家も 進出したいが 何を売る           チキン丼しか売れません。

何見ても 絵になるインド 日記にす          毎日写真日記がたまります。

ネパールか 中国人かと 人は聞く           日本人ってあんまり見たことないのですね。

(夜の部)

エレベーター 電気消えても じっと待つ         アパートの停電頻発。でも直ぐ発電機で再開。

停電も 慣れてしまえば それもよし          こちらは無計画停電です。

屁をしても 笑う人なし 我一人               一人では笑う気も起きません。

懐かしい 人は孤独と 書いた頃              あの頃は親兄弟や友が一杯いたのにね。

今頃は 何が旬かと ネット見る               グルメ記事はお腹にグー、頭にカーと来ます。

缶詰の 秋刀魚温め 秋偲ぶ                 この他に鰯、ニシン、サバ、イカもあります。

ノンベジが ベジタリアンの 牛を食べ        何かおかしいですよね。

我なくて 家族楽しく 食事かな               私の話題は出ているのかなあ?

この我に 家族いたかと 思う夜               ふと、家なき子になったような気がします。

週末は 私一人の 自由時間                 『掃除して』『買い物行って』とは言われませんが

時差ゆえに 遅れたメール 明日にする     こちらの8時半は日本は零時。気を遣います、私

あら不思議 インド中国 標準時              両国とも広大なのに国内標準時一つです。

出張者 招いてストレス はらす夜            まあ、ワイン飲んで、俺の話を聞けぇーです。

シャワー浴び われは赤穂の 志士となる      新・リアップ試しています。

リアップを 眉毛に塗ったの お父さん         床屋に行かないので眉毛は村山さんみたいに。

シャンプーの 泡だけ使って シャワー浴び        髪で泡をつくり、顔、脇、体となすりつけます。

この月を 妻は見てるか 寝ているか         きっとイビキかいてるだろうなあ。

豆電球 点けて寝るのよ 3LDK              3LDKは単身赴任には広すぎます。怖いです。

顔言葉 十人十色 でもインド                 国とは何をもって一つの国というのでしょうか?

 

    シンゴ旅日記インド編(その59)川柳単身赴任の巻の巻” に対して1件のコメントがあります。

    1. やま より:

      丹羽様

      私はエビを中心に水産物の輸入をメインの業務として担当時代を過ごしたのですが、活動の場は貴兄と似通っているようです。 
      東マレイシアのサバ・サバ州には何度も出張し、当時木材でTawauに駐在してた貴兄と同姓の駐在員に(最終役割は専務)アテンドしてもらった記憶が残っています。
      在職中最も出張回数が多かったのがインド、昭和48年が最初の出張で20回以上は出張してると思います。仕事の性質上海岸線に沿って稼働している工場のドサまわりが通常の出張でした。
      ベラバル→ボンベイ→マンガロール→ゴア→コーチン→クイロン→トリバンドラム→マドラス→バイザック→ブバネシュアール→パラディープ→カルカッタが大体のルートでした。
      当時の辺境地ではエアコンがついてないホテルが多く、セカンドサマーの時期の出張はまるで地獄でした。
      家族帯同で赴任していた駐在員からは、卵かけご飯を食べたいので鶏卵、ソフト感のあるパンを食べたいのでカットしてない食パン、皆で分けやすい様に樽詰めのバルクのタラコなど頼まれて、何度も運んだ記憶があります。 
      汗まみれの出張の中、マドラスはまるでオアシスの様なもので、緑が多くてリフレッシュ出来る場所でした。
      フィッシャーマンズコウブ、マハバリプラム、砂地グリーンのゴルフ場は今でも鮮明に記憶に残っています。貴兄の俳句、インド訪問経験ある人には、共感して思わず笑ってしまう箇所が多いです。
      現在も海外でご活躍の由、体調管理に気を付けて頑張って下さい。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です