シンゴ旅日記インド編3南インドの結婚式の巻

初めてインドの結婚式に参加したときの話です。

場所はコインバトールです。タミール・ナド州です。南インドです。

式場は大きなホール、体育館が4つくらい入る大きさです。受付は日本と変わりません。でもお父さんが受付で招待客に挨拶して頑張っています。舞台に新郎新婦が並び参加者が順番に舞台に上がり挨拶します。

前にはテレビ報道のようにTV用カメラと記念撮影用カメラマンが居ます。会場のあちこちにスクリーンがセットされ、受付けや舞台の様子を映し出しています。

舞台袖では民族楽器が演奏されて雰囲気をかもし出しています。

日本からの出張者2名と共に舞台に上がる列に並びます。そして舞台上で新郎新婦に挨拶しお祝い品を渡し、記念撮影して舞台を降ります。

次は隣のホールへ案内されて食事です。隣のホールは何箇所にも屋台が並んでいます。
お祭りの人出です、熱気です。立食です。

屋台は大学の文化祭を思い出します。案内してくれた人がまずスウィートを食べるのだと言ってその列に並びます。お皿を持って列に並びます。

途中から女の人が割り込んできました。でも、これを甘い顔してどうぞと大目に見ます。

黒スーツ来た若い男の子、といってもひげを生やしているのですが、彼らがビニール袋を手袋代わりにしてお皿に入れてくれます。お菓子は甘く、甘く、そして、どぎつい色のもの10個くらいです。食事前の甘いお菓子、ちょっと順番違うのではないかと思いながら食べます。

それが終わると料理の屋台です。木の皮で作ったお皿にバナナの葉を乗せたものに順番に少しづつ乗せてもらいます。すべてベジです。


料理は右手の指を使って食べます。食べていたら私の左のシャツの袖にカレーにまみれたお米が一粒付きました。でも左手でお皿を持ち、右手は食事を摘んでいるので指に汁がついています。カレーが付いたお米一粒を払い落としたくても落とせません。

さっきお菓子を食べた時のプラスチックスプーンがお皿に残っていました。それを使って柄の方で払い落としました。そのあとにはカレー色の模様がジワーッとシャツの袖に広がって行きました。

一通り食べると、もうお腹が一杯になりました。でも、案内してくれた人がお代わりをすすめます。私も彼に気を遣い、スイーツをもうワンランド取りに行きました。

皆のところに戻るとお皿を持っていない人が輪の中にいます。ここの食事を仕切っている料理長だといいます。

『ナイス フード。ベーリィ デリシャス』と褒め上げます。

この料理は朝から仕入れたそうです。調理人は300人とのことです。

『この料理、日本に持って帰りたい』と私が言いました。すると、料理人は真顔で『持って帰れるよう準備します。』と言いました。私は慌てて打ち消します。

食事を終わり皆でお手洗いで手を洗いました。これで終わりかとホッとした時、案内の人が外に出てデザートを食べようと言い出しました。またお皿を持って並びます。

日本からの出張者二人はもうお腹が一杯なのでアイスクリームだけでよいといって長い列の途中に割り込んで行きました。私は案内の人と最初のコーナーに向かいます。細切れにした果物を順番によそってもらい蜂蜜をかけてもらいます。そしてマンゴーアイスクリームを受け取ります。もう象さんのお腹です。

会場の外で立ち話となりました。そばにはインドのあの民族衣装のドシを来たおじさんのグループがいます。
白い上着に下はスカートです。中には暑いのか巻き上げてねじっている人も居ます。

これで本当にお開きだな、早くホテルに帰ってビールを飲みたいなと考えながら入り口にある飾りを見てました。案内の人が近寄って来て消化によいというパーン(葉っぱで包んだ薬草?仁丹みたいな味)を持ってきてくれました。これ2個食べてやっとお開きとなりました。

おいしくはないのですが、何せ断れなくて。

受付に戻り新郎のお父さんにお礼を述べて帰ります。駐車場にもどろうとするとこの結婚式の案内が大きなノボリになっていました。新郎新婦および家族が昔の映画の宣伝みたいに大きく描かれているのです。さすが『ボリウッド』の国だなあと感心しました。

帰りの車の中で本社から出張してきたインド人社員に言われました。

『丹羽さんは南インドの料理がたくさん食べられるし、インド駐在にピッタリです。私は駄目です。』

丹羽晋吾

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です