シンゴ旅日記ジャカルタ編(2)  湯の町グチの巻

湯の町グチの巻 (2017年9月記)

インドネシアは日本と同じように火山が多くあり、温泉地が何カ所もある国です。

有名な温泉地はバンドン郊外のチアトルですが、中部ジャワにもグチという山あいの温泉地があるのです。

ジャカルタから高速道路で東へ300km行くとジャワ島の北の海岸沿いにチレボンという町があります。チレボンは西部ジャワ州の東の端といった感じです。そこからさらに高速道路で東に80km行くと中部ジャワ州になり、テガルという町があり、そこは砂糖やジャスミン茶の生産地で有名です。

またテガルの料理はほかの都市でワルテグ(Warung Tegal=Warteg)と呼ばれ、屋台(Warung)や小さな食堂で提供されており、西スマトラのパダン料理とともに有名です。

そのテガルに初めて機械を納入し、その据付に社員三名が二泊3日で出張しました。

私もお客様への挨拶のため最終日の金曜日にテガルに向かいました。

と、いうのはテガルに設備の納入が決まったとき、社員からテガルに近いところにグチという温泉地があることを聞いたからです。金曜日の夜を温泉に入って過ごそうと計画していたのです。

なお、グチの近くにはジャワ島で二番目に高い山のスラメト山(標高3,428m)があります。

無事に機械の納入が終わり、社員たちとともに車二台でテガルの町を出発しました。

田舎道を走り山道に入りました。窓を開けると空気が涼しくなってきました。

手入れされた棚田や段々畑がところどころに見えてきました。

山の中腹にはグチ地区へ入るための料金所があり、一人5,000ルピア(約40円)を払いました。

そしてまた曲がりくねった山道を登り、少し降りて民宿風のホテルにチェックインしました。

スマホのアプリで標高を調べると1,095mとありました。

私たちは部屋からバスタオルを持ち出して車で温泉場に向かいました。

ホテルからの山道を降り、さらに奥に入り、坂を上り、そして降りると狭い谷川が流れていました。

その谷川の橋から上流を眺めると左手の山側で人々が水に浸かっているのが目に入ってきました。駐車場が先にあるというのでその橋を通り過ぎると、狭い坂道の両側に小さなお土産屋さんが立ち並び、軒にかけてある商品に車が触れるかのように上りきると、そこには広い駐車場がありました。車を置いて、谷川に向かって歩いて行きました。

温泉に行くと言うのに、私は着替えを全く持たずに参加していましたので、お土産屋さんに立ち寄り水泳パンツとサンダルとグチの名前入りのTシャツを買いました。

谷川の温泉場に着くと着替えを預ける小屋が二か所ありましたが、私たちはそこに預けず、そのまま湯が流れているところに向かい、湯がかからないところで着替えて、脱いだものをまとめて置きました。谷川の温泉は日本の施設と比べると質素というか貧弱なものでした。

数本のホースを山肌に差して湯を落とし、コンクリートの仕切りで囲っただけなのです。

足場はヌルヌルとしていて、滑りやすく気を付けなくてはなりません。

私は転ぶのが怖くて、コンクリートに手をついてそれを乗り越えゆっくりと温泉に入って行きました。

温泉と言ってもそんなに熱くはなかったのです。でも少し多目の湯が落ちてくるところで、修験者のように滝を頭から受けたり、最近凝っている肩に打たせ湯をしたりしました。

湯から上がると、現地社員がバスタブに浸かれるところがありますよというので、人で込み合っている谷川温泉よりもゆっくりできるだろうと思い、そこに行ってみることにしました。

その建物は入口の両側に個室が5室ずつあり、各部屋の中にはバスタブだけがあり、湯が蛇口のないパイプから直接バスタブに注ぎこまれていました。入浴料は3,500ルピア(約30円)でした。

谷川温泉と違い湯温は40度ほどあり十分に体を温めることのできるところでした。

私はこのバスタブ温泉が気に入ったので明日の朝また来ようと皆に伝えました。

バスタブ温泉から上がり外に出ると、もう暗くなっていました。

そしてホテルに引き上げ、食堂で社員から今回一緒にきていない社員の噂話を聞いたりしながら、ゆっくりと食事をした後、それぞれの部屋に引き上げました。ビールはありませんでした。

夜は冷えたので布団のような分厚い毛布にくるまって寝ました。運転手のひとりは寒くて三時まで寝られなかったそうです。翌朝は7時に皆で朝食を取り、8時に温泉に再び出かけました。

途中にある駐車場を通ろうとするとすでにお店を開いているお土産物屋さんでジャムー(ハーブ薬)を籠にいれて売っているおばさんがいました。

私はおばさん近づきKunyit Asam(ウコン)はありますかと聞くと、おばさんはあるよと言って何本もボトルが入った籠の中から一つを取りだし、コップを布で拭き、それに黄色い液を注いでくれました。

私がそれを飲み干すと、おばさんは次にJahei(ショウガ)のハーブ薬を飲めと私に勧め、それを飲み干すと、今度はお米で作ったハーブ薬を勧めてきました。私はそれも飲み干しました。

私は新しいボトルに入ったウコンのハーブ薬を一本買いました。賞味期限は三日間とのことでした。

買ったジャムーを駐車場に停めてある車の中に置いて、バスタブ温泉でなく谷川温泉に行きました。と、いうのは運転手のひとりが、前日は体の調子が悪く、谷川温泉に入っておらず、朝になると調子が良くなったので是非とも谷川温泉に浸かりたいと言いだしたのです。

それで朝の明るい光の中で写真を撮りたかった私も谷川温泉に向かったのです。

結局、谷川温泉に少し浸かり、写真を撮ってから、日本人駐在員と二人でバスタブ温泉に行きました。入口で入浴料を払おうとすると土曜日でしたので入浴料が5,000ルピア(40円)と昨日より1,500ルピア高い休日料金になっていました。

バスタブには10分ほどずつ二度浸かり、満足して、駐車場に引き上げました。

駐車場には温泉に入らずお土産を買い込んで大きな袋を下げた社員二名と出会いました。

社員からここではウサギのサテがおいしいですよ、と聞いたのでそれを皆で食べることにしました。

ウサギは子供の頃に学校や家で飼ったことはありますが、食べたことはありません。

駐車場の横のお店に入り、ゴザの上に胡坐をかいて、ウサギ肉のサテを頼み、出来上がるまではテガル名産のお茶を飲みました。しばらくすると、サテが出来上がってきましたが、鶏肉のサテと姿形は一緒です。これがウサギの肉ですと言われてもその味の違いがよくわかりませんでした。

サテを食べてからホテルに戻り、帰り仕度をし、11時ころにホテルを出発しました。

前日に来たときは霧がかかっていて、はっきりとは風景が見えませんでしたが、帰りはすっかり晴れていたので高原野菜のキャベツ畑や、手入れされた段々畑、棚田がよく見えました。

山を下りてテガルの町に入ると、ベチャやオートバイトラックがたくさん街角を走っていました。

テガルから高速道路に入る前に、町で社員たちが名産のアヒルの茹で卵、焼き卵を大量に買いました。アヒルの茹で卵はチカランでも売っているのですが、焼き卵はテガルにしかないとのことでした。私はジャスミン茶(Melati)を買いました。中国風に急須に一袋ずつ入れて飲むタイプです。

お茶のブランド名のポチ(POCI)は急須(土瓶)のことです。急須はテコ(TEKO)とも言います。

買い物を終え、高速道路に入りチカランまでノンストップで走りました。その高速道路から眺める田園風景を見るとインドネシアは広大で肥沃な土地が多くあることを実感させられるものでした。

(おまけ)グチの温泉場の駐車場で宝石の指輪を箱に入れて売り歩く人たちがいました。

良く見かける猫目石とか、アフリカの石などを並べて執拗に寄ってくる人たちです。

私は興味がないよとはねつけていたのですが、水気のある指でこすると赤く発光する石を見せられました。私はびっくりして、それは何という石かと売り子に聞くと化石の一種だというのです。

私       : いくらするの?

売り子   : 150,000ルピア(約1,300円)

私        : 高すぎるよ。

売り子   : いくらなら買うのか

私        : 80,000ルピア(約700円)

売り子はそれはできないと言って一旦はその場を離れていきました。きっとその不思議な石を欲しそうにしている私が呼び止めると思ったのでしょう。でも、私はアジアでのこうゆう場面の買い物の駆け引きを心得ています。欲しくてもすぐに追いかけてはいけないのです。

私は心の中では100,000ルピア(約850円)なら買ってもいいと思っていました。

一旦離れて行った宝石売りは、やはり、すぐに戻ってきました。

そして100,000ルピアでどうかと値段を下げてきましたので、私は思わず財布を取り出して買ってしまいました。

そして、チカランのマンションに戻ってから、早速、水の入ったコップにその指輪を入れるとなんと本当にピカッと光り続けているのです。

私はスマホで映像を撮り、妻にこんな石を買ったけどみたことがありますかとラインで送りました。

妻が「見たことがない、面白いですね。なんという宝石ですか?」と聞いてきました。

私はネットで調べても赤く光る石のことが載っていなかったので、夜遅くに日本にいる博学の先輩にラインで同じ映像を送り、これは何という石ですか教えてくださいと書き送りました。

翌朝、早くその先輩から返事がありました。

「これは中にLEDが入っていて水に入れると短絡して光ります。日本では氷の形状をしたものがヒットしています。ワィンとかカクテル等に入れて光らせています。」とのことでした。

私は「LEDですと寿命がありますね」と返信すると、「そうですLEDは大丈夫ですが、寿命は電池で決まります。」との返事でした。

妻にその説明をラインで送ると「信じ易い人ですね~。払ったお金は勉強代でしたね(笑)」と返事がありました。実はその光る石の不思議さに驚き、私は二個も買ってしまっていたのです。

そして私はグチの駐車場でその石を私が買う時に社員たちが平然としていた理由に納得しました。

はやく悔しさを忘れて、インドネシアの温泉地を探してあちこちの湯に浸かってみたいと思います。

左の図は地震の発生場所です。地震と火山は関係がありますよね?地震は地球の海側のプレートが陸側のプレートに潜り込み、その先端がゆがむことによって発生すると言われます。

日本と同じようにインドネシアもインド・オーストラリアプレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートに囲まれた地震国なのです。

かつて私が駐在したシンガポール、バンコク、インド(西部、南部)は地震がほとんどないことが左の図でもわかります。

丹羽慎吾


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