ヤタガラスの「教えてワイン!」6~ブルゴーニュ

フランスの北側で山側の地域には有名な産地ブルゴーニュがある。太陽エネルギーは弱いのだが、内陸性気候のため気温の変動は激しい。この弱くて激しいという矛盾した太陽エネルギーの性格がブルゴーニュのワインに表れる。

ブルゴーニュ全体では、白ワインも赤ワインもつくられている。といっても、白をつくるところはいつも白、赤をつくるところはいつも赤だ。村、あるいは葡萄畑の地形によってどちらか一方を毎年変わらずにつくっている。

と はいうものの、ブルゴーニュは基本的には白ワインに向いた地域である。一部地形的に恵まれたところでのみ奇跡的に赤ワインがつくられる。優れた白ワインを 作るためには、優れた白用の葡萄が栽培できなければならないのは勿論だが、それだけではなく、収穫後にワインを仕込む時の気温も重要な要素である。

白ワインを仕込むときには、低温で仕込むのがいい。いわゆる低温発酵だ。低温でじっくりと醗酵させると繊細でニュアンスに富んだワインになる。極端にいえば、収穫までは葡萄がしっかり育つ夏で、収穫後はいきなり冬になって低温発酵ができる状態になれば最高だが、これはなかなか難しい。

北すぎれば暑い夏は期待できないし、南すぎれば寒い冬は望めない。そんな無理がかなう場所は世界広しといえども、ブルゴーニュをはじめとするフランスの北部ワイン産地だけである。今では、仕込んでいる最中の醸造タンクを電力でいとも簡単に冷却できるので、収穫後の気温などに左右されず低温発酵は可能とのこと。

(出典:安間宏見著「ワインの謎解き」)

ヤタガラス

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