ヤタガラスの「教えてワイン!」7~ボルドー

フランスの南海エリアは南の地域で太陽エネルギーは強く豊富だが、海側に位置しているため温度の変化は少なく穏やかだ。この地域のエリアの葡萄の根のポンプは、コン スタントにじっくり回転して、葡萄本来の生成物を作り出し、蓄積し続けていると考えられる。意外性のあるものは少ないが、夏の間にかなりの量のごく当たり 前の生成物が蓄えられる。

ワインになればたっぷりとした厚みや重量感を持った、いわゆるフルボディのものに仕上がる。ワインの色は内容物のたっぷりとした重なりのせいで、 黒っぽく見えて、味わいはあくまでも穏やかでしっとりとしている。南海エリアのボルドーのワインは、太陽エネルギーの性格を受け継ぎ、穏やかだが強いワイ ンになる。

意味としては反対だが矛盾する言葉が並ぶのはブルゴーニュと共通している。つまり味の幅が広くて、多くの人を魅了するのも共通で、ボルドーもやはり有名なワイン産地である。

さて、ボルドーは基本的に赤ワインに向いた地域である。白ワインもつくられているが、赤ワインほど評価は高くない。この理由は、どんな赤ワイン用の 品種でも完熟するほど太陽エネルギーが多いことによる。白用の品種では多すぎる太陽エネルギーを持て余してしまうのだ。必要以上に酸度が低下してしまい、 きりっと締まった白ワインにならない。それ以外に収穫後に気温が下がらず高いことがあげられる。残暑が続いているようなものだ。

このせいで、ワイン醸造時の温度を低温に維持することができない。優れた白ワインをつくるための低温発酵が難しいのだ。ただ、最近では、設備が更新 されて低温を維持できる冷却装置がついた発酵タンクが使われるようになり、発酵時の温度管理が簡単にしかも厳密にできるようになったので、ボルドーの白ワ インにも磨きがかけられるようになろう。

(出典:安間宏見著「ワインの謎解き」)

ヤタガラス

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