福井におけるオリーブ栽培について(3-四半期報3)

福井におけるオリーブ栽培について(3-四半期報:7-9月)          洲浜三郎
1. 協同作業:防除
オリーブにも病気や害虫による被害があり、防除を行う必要があります。
(ア) オリーブの主な病気
・炭疽病;黴の一種で、葉や枝、果実などに発生する病気で、感染すると褐色の斑点が出来て広がって行きます。胞子で伝搬するために枝葉や果実を取り除いて隔離処分します。予防策としては、風通しを良くすることが有効です。
・梢枯病;黴の一種で、枝の先端に侵入し、枝先が茶色に変色し葉が落ちて枯れていく病気です。梅雨時に多く発生するが、炭疽病と同じ予防策が有効です。
・オリーブがんしゅ病;細菌の一種が侵入することで、枝や幹が瘤状に膨らんでしまう病気です。症状が出ている瘤状の部分を取り除いて隔離処分します。
(イ) オリーブの主な害虫
・オリーブアナアキゾウムシ;オリーブの天敵である体長15mm程の黒褐色の甲虫で、長い口吻が特徴です。平均15℃以上になると活動を初めて、新梢や若い枝の樹皮を食害します。成虫は樹皮に卵を産み付け、孵化した幼虫は幹の内部を食害します。成虫は見つけたら捕殺します。幼虫は見えないが、株元におがくず状の木屑があったら幼虫に食害されているサインなので、ぼこぼこした部分をドライバー等で削って幼虫を捕殺します。
・スズメガ類;体長8cm前後の大型の芋虫で、身体の後部に角状の突起があります。旺盛な食欲で葉を食害します。株元に黒いコロコロした糞が落ちていたら、この幼虫による食害のサインです。探して捕殺します。
・ハマキムシ類;体長1~2cmの幼虫で、新芽など柔らかい葉を好んで食害します。葉の先を糸で巻き込むのが特徴で、見つけたら枝先毎切って処分します。
・カイガラムシ類:2mm程の小さな虫で、成虫は固い殻に守られています。枝や葉に寄生して養分を吸収します。殻で守られているので薬剤が効きにくいので、風通しを良くする必要があります。
(ウ) 薬剤による防除:オリーブの果実用農薬の例(出典:オリーブ栽培・利用加工、創森社)
防除は農薬を散布して対処しますが、使用回数や使用期限が決められています。

防除の様子を画像で示します。
タンクに希釈した農薬を入れ、動噴で農薬を散布するほか、背負いの動噴でも散布します。

2. 協同作業:摘果

今年もオリーブの木に授粉した実が育ってきました。然し未だ幼い木に付けた実は、小さい内に全て摘み取って、養分を木に与えることになり木の成長を促します。

3. 協同作業:潅水
植樹後、乾燥期、及び夏季には、溜池からポンプアップした揚水によって、画像の様にスプリンクラーのノズルが水圧で回転し、圃場一面に散水します。
(各自治会の揚水担当が、当組合から連絡を受けて、天候状況を見ながら朝又は夕の定時に約20分間散水を行います。)

次回は、3-四期報(つづき)として、オリーブの商品と新漬けについて説明したいと思っています。

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