「ワインと私」 松村隆太郎

毎日ワインを飲みます。どのくらい?

ボトル半分がノルマ、時々1本・・・(家内も少なからず飲む)。その前に缶ビールを一つ。いつの間にかすっかりワインが生活必需品として定着してしまいました。赤ワインが心臓疾患の予防になるといういわゆる「フレンチパラドックス」(フランス人は肉やバターなど動物性脂肪をたくさん取るにもかかわらず、心臓疾患による死亡率が低いのは赤ワインを飲むからだという説)に影響され薬として飲んでいるわけではなく、ただ単に好きなのです。それにこの数年は赤と違って、殺菌作用があるだけとされる白ワインに傾倒しています。

「いつの間にか」となんとなく書きましたが、思い返してみると実際には40年余にも亘る経緯があるのに気づきました。

20歳: 下戸だった父がよくもらってくるポルトガルのロゼワインのラベルに記された「果実酒」という言葉に不思議な印象は持ったものの味には興味なし。
日本酒党。
22歳: 商社に入社。相変わらず日本酒党でワインといえばドイツの甘めの白ワイン、新宿伊勢丹にあった十勝ワイン(ロゼ)の店が記憶にある程度。
26歳: 4年間ベルギー駐在。肉とワインと初めて接するフランス語という生活に浸り(注:もちろん仕事もそれなりにしてはいました)、美食の国ベルギーでだんだん赤ワインの魅力にとりつかれ、帰国後には飲めなかろうと時々少々値の張るのも混ぜながら連日赤ワインの日々を送る。白ワインには興味なし。
30歳: 帰国後、日本産ワインに幻滅、予感通り高い輸入ワインには手が出ず日本酒党に完全復帰し郷に入っては郷に従いを実践。
38歳: 米国出張が続きワインで有名な西海岸のナパ、ソノマを訪れワインへ復帰の兆しあり。
41歳: 10年振りのベルギー、フランス訪問を機にワインへの復帰を決定。
45歳: 日本酒を飲む度に睡眠時無呼吸症候群を発症。日本酒を完全に断ち今日に至る。

ワインの神様に操られたような気もしますが、落ち着くところに落ち着いた感があります。ところで、ワインといえば乾杯でグラス同士の「チン」、なぜするのでしょう?

「そもそもマナー違反」から始まって諸説ありますが、私が一番気に入っているのは:
「ワインがグラスに注がれるのをじっと見つめる。ルビー色、黄金色、或いはピンク・・・」、
「繊細なグラスを手にとって重さを感じ」、「少し廻してワインを空気に触れさせ本来の味を引き出すとともにグラスに溜めた香りを確かめ」、「最初の一口を含んで舌先で転がして味わって」、「飲み込んだら喉越しで鼻に抜け出るさらに深みのある香りを楽しむ」。

見て、触って、嗅いで、味わってまた嗅ぐ。おやっ、何か足りない?
視覚、触覚、嗅覚、味覚があるのに「聴覚」がありません。そこでそれを補うために「チン」するのです。そしてやっぱり合言葉は「Santé !」(健康を祈って:サンテというより鼻に抜けたスォンテくらいの発音の方がフランスっぽい)。
そうです、五感を駆使して楽しむのがワインです。

松村隆太郎

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