シンゴのきになる話㉘ 散歩していて気になる話の巻(その13)

インドのマハラシュトラ州は綿の産地でもあるのです。

州都ムンバイはその集積地として昔から栄えていました。

私はインド更紗の生地を日本の家族や親せきのお土産にしようとお店に行くと、いろんな柄の生地を売っていました。その中にヨーロッパのブランドでよく見る模様がありました。

それはミドリムシを顕微鏡で覗いたようなものでした。

てっきりそのデザインは西洋のブランド品のコピーなのだと思いましたが、そうではありませんでした。

その模様がなんであるかを現地の人に聞くと、それはマンゴーをあしらったものだというのです。

しかし、実際はその模様は古代ペルシャなどにもあり、マンゴ―だけでなくボダイジュの葉、イチジクの断面、炎、糸杉(セイヨウヒノキ)などに由来するのではないかとありました。

インドではマンゴーには宗教的意味合いがあるようです。マンゴーはたくさんの花をつけますが果実として実を結ぶ割合が少ないため、人間が悟りを開くことの難しさを表しているとか、また、マンゴーはすべてを支配する神の化身であり、身の周りのものにその模様を取り入れることで、守り神となると教えてくれました。それででしょうか、魔除けとしてマンゴーの葉を家々の入り口にしめ縄の紙垂(しで)のように吊るしている風景をあちこちで見たことがあります。
一方、マンゴーと違いパナナはたくさんの実をつけるため子孫繁栄、生命力ある植物とみなされます。これはインドでもインドネシアでも同じようです。

散歩していて気になる話の巻(その14)につづく

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