森本剛史君との想い出6~大学時代・教育実習

こうして森本君と私は、高校時代まではよく顔を合わせて一緒に何かをするということが多かったですが、大学に入ると会うことすらほとんどなくなりました。自宅から通っていた高校までの生活とは違い、大学に入るとまずはそれぞれの土地での新しい生活に慣れなければならない。会う機会と言えば、お互いがたまに帰省したときくらいになりましたが、久しぶりに会って近況を報告し合うのも楽しいものでした。なかでも忘れられないのは、私が城南中学校で行なった教育実習でした。

教育実習

私は、かねがね英語を使う仕事、海外へ行くチャンスのある仕事をしたいと思っていました。とりあえず教員免許を取得しておこうと思い関連の単位はすべて取得していました。3年生の時に教育実習があり、実習をする場所は自分の故郷でもよいということだったので、迷わず自分が卒業した城南中学校を選んだのです。

久しぶりに、自分の母校にやってきて英語を教えるということは何だか不思議な感覚でもあり、また楽しいことでもありました。教えた生徒の中には、自分の弟や剛やんの弟(現新宮市観光協会専務理事)もいました。実習では、英語が苦手な生徒に、ちょっとした関心を持って取り組めば、それほど苦労しなくても楽しく覚えられるコツを伝えたく思い実践しました。

その頃、剛やんの家(森本薬局)では、AFSの交換留学生としてアメリカから新宮にやってきた女子生徒を受け入れていました。名前は、Pamela Ann Napierさん=パムちゃんで、剛やんの妹さんが同級生でいろいろと彼女のお世話をしていました。ふと思いついて、このパムちゃんが学校にきてくれたら、生徒たちもいい体験ができるのではと思ったのです

頼んでみると、快く引き受けてくれました。ある日の放課後、私は学校の図書館を借りて、パムちゃんと生徒たちとの懇談会を開催しました。パムちゃんは、さすがに交換留学生で、社交的でいろいろと生徒たちに話しかけてくれましたが、生徒たちは恥ずかしさもあってなかなか話ができないでいました。生徒の殆どが外国人と初めて話をするという状況だったので無理もありません。前もって質問を用意して練習しておくなど、もう少し準備をしておけばよかったと思いました。なにせ、実習期間が2週間だったので、その時間がなかったことが残念でした。

その後も、パムちゃんとは、森本きょうだいと一緒に海に泳ぎにいったりと、自分も楽しいひとときを過ごしました。昔も今も、新宮では外国人を見かけることは少ないように思っていましたが、熊野古道が有名になってからは、訪れる外国人が増えて少しは出合う機会も増えているようです。若い人は外国語を身につけてどんどん世界へ進出していってほしいと思っています。

~つづく~

西 敏

 

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