低く飛ぶ蝶

荻 悦子
荻悦子詩集「樫の火」より~「低く飛ぶ蝶」

  低く飛ぶ蝶 狭い側溝の中で 薫色がちらちらした 小さな蝶 小刻みに飛行をくり返し 翅を閉じると 斑点のある灰褐色 側溝の上の生垣に白いアベリアが咲き 明日も低く飛ぶだろう しじみ蝶 黄昏の目で辺りを見ていま […]

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