健康・病気

優海
異変(その2・運命なるもの)

院長は母と同じ年くらいの、がっしりした体格で頼もしい感じの人だった。母と私に、ゆっくりした口調でこう言った。 「カメラで言えばフィルムにあたる眼底の網膜が剥がれています。視力の回復は望めませんが、放っておくと眼球が小さく […]

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優海
異変(その1・白い巨塔)

それは、じき16歳の誕生日を迎える、高校1年生の6月のことだった。 浴室の戸を開けた私は、いきなり透明なドアにぶつかって押し戻されたような感じを受けて、その場に立ちすくんだ。反射的に左眼をつぶると、丸い天井灯が上弦の月の […]

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