荻 悦子
荻悦子詩集「時の娘」より「城」

城 風化が進行する高い城壁 ひと群れ 菊科と思われる草がとりつき 橙色の花を咲かせている 肋骨交夜穹窿 堅固な梁でドームを支え 高く より高く 鈍化への烈しい希求 絶対を求める精神は 血まみれの手を要求した 嫌悪 憎しみ […]

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