白桃

荻 悦子
荻悦子詩集「樫の火」より~「白桃」

白桃   水蜜桃 そう呼んでいた 桃を入れた竹の籠が 縁台の傍に置かれていた 好きな時に食べなさい 祖母は言ったが 繊毛のある白い肌 手に余る大きさ 柔らかさ 大人の誰かが どうにかしてくれないことには 澄んだ […]

続きを読む