石塁

荻 悦子
石塁~詩集「流体」より

石塁   不揃いな石塁は むかしの人が積んだ 石は日に晒され 草の斜面に くねくねと連なっている わたしは俊敏な獣だった 羊の脇を駆け抜け いつもは石塁をひと飛びで越える 急な斜面を走り 遥か下方の川を目指す […]

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