祝福の木

荻 悦子
荻悦子詩集「樫の火」より「祝福の木」

祝福の木 男に抱かれた黒い犬の目が私を射る 目が妙に光り 金色の環が生まれる 雑誌に載っている写真の中の 動かないはずの犬の目が光を放つ 犬は男の腕をす り抜ける ベランダの木の階段を降りてくる 顔を 上げ 光の矢を放ち […]

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