荻悦j子

荻 悦子
荻悦子詩集「時の娘」より「空・旅」

空・旅 時雨去ったあと にわかに昏く 流れは オリーブ色にして蛇行して 後へ後へと尾をひく 墨を流した雲の波間に まだらに 地球の黎明期の 怪しい冷たい光 城 仄白く浮かびあがった と見る間に 暗い森の草木のざわめき 洞 […]

続きを読む