オランダで芋といえば、ジャガイモ。もしジャガイモがなければ、今のオランダは存在しなかったかもしれません!これは歴史上の事実を踏まえた話で、誇張でもなんでもありません。また、現在のオランダ人もジャガイモがなければ、多分生活が大きく狂い出すかもしれません。その意味ではオランダ人は新大陸からジャガイモを持ち帰ったコロンブスには感謝、感謝のはず。
ジャガイモは北ヨーロッパのような気候の厳しい寒冷な土地でもよく育ち、当時の極端な食糧不足(飢饉)が発生した時、ジャガイモによって多くの人々が飢餓から救われたことがありました。それからか、ジャガイモは北ヨーロッパ特にオランダ・ドイツでは主食・副食・おやつ等大変重要な食物になっています。
ゴッホの初期の暗い色調の絵の中にも「ジャガイモを食べる人々」と題したものがあり、小さな食卓を囲んで器に盛られたジャガイモを家族みんなで食べています。100年以上も昔の貧しい農家の夕食の情景のようです。
現在といえば、街を歩けば至る所でフリット(ポテトフライ)を売る屋台があり、歩いている人の多くが、三角の紙袋、あるいはプラスチックの皿の山盛りのポテトを頬張っています。あたりには香ばしい香りが漂っています。これが昼飯代わりか、ちょっとしたおやつか。またレストランに入っても余程高級なフランス料理でもない限り、注文した料理には必ずと言っていいほど付け合わせとしてフライドポテトかマッシュポテトがついてきます。それも、これでもかという程どっさりと。
ここまで書いて急に思い出しました、オランダの代表料理の一つ、「フッツポット」。
この料理もマッシュポテトを使います。対スペイン独立戦争終盤、オランダ市民軍はライデンの砦に立て籠もり喰うや喰わずの状態で頑強に交戦していました。そして、最終的に包囲していたスペイン軍をマース川・アイセル川の堤防を敢えて決壊させ水攻めにより撤退させライデンを解放した時に彼らが見つけたものは、野営地で食事中のスペイン軍がその場に置き去りにしていった鍋に残された料理だったのです。それこそが「フッツポット」のはじまりです。詳しいレシピは置くとして、ジャガイモに少しニンジンとかを加えマッシュ状態にしたものを皿にドーナツ状に置き、真ん中に牛肉の煮込みを盛りつけたものです。おそらく、激戦でボロボロになっていたオランダ市民軍は久々のしかも珍しい料理に感激し、思わずむさぼったのではないかと想像されます。でなければ、その後400年もの長い間食べ続けられたりはしなかったでしょう。
私はオランダ語では会話できませんが、英語での会話の中ではよくPotatoが出てきます。イギリス人・アメリカ人もやはりジャガイモが身近なものなのだとその時気づきました。Hot Potato とかSmall Potatoとか、オランダ人もよくこの表現は好んで使っていますが、むしろ、このジャガイモを使う表現、この発想はオランダ人ならではだと思いますが、如何でしょうね。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2019
10+