スウィンドン(イギリス)の思い出

新聞テレビでホンダがイギリスから撤収すると言うニュースが流れ、イギリスのEUからの離脱(Brexit)とも絡んで色々な憶測や物議が飛び交っています。ホンダの欧州での拠点がイギリス、しかもこれからお話ししようとしているスウィンドンと言う街です。スウィンドンはロンドンの西方130km にあり、西さんの旅行記(文芸館)の「コッツウォルズの歩き方」の現地にロンドン又はヒースロー空港から向かうルートの一つです。

このスウィンドンに仕事で出張したのは今から45年位前、一日の日照時間が非常に長い6月頃だったかと思います。ゴルフをしようという連絡を貰ってゴルフシューズを持参しました。初日は皆さんと夕食を共にし、翌日は部長宅に招かれました。ご近所が見えないくらいに緑豊かな静かな郊外でした。すぐ近くの丘の上を鉄道が走り隣接して古い車両基地があります。1830年頃施設されたロンドンからの終着駅とやら。

やっと三日目になってゴルフに行こうという事になってホテルで軽く夕食、7時頃出発しました。途中あまりの突然でビックリしたのは当時話題の超音速航空機コンコルドを間近で見た事でした。すぐ脇の道を通っていたのですが、そこが飛行場でした。仲のあまり良くない英仏の共同開発でした。やがてコンコルドは大きな事故を起こし、経済性能が良くない等不幸が重なり遂に見捨てられることになりました。この飛行場が現在のホンダの工場だそうです。(写真は最近のものです。1989年製造を開始、最近ではCivicを製造しているようです)

車が間もなくゴルフ場に到着しました。何人かのご婦人方がゴルフを終えて帰宅の様子で他に人影がありません。ゴルフ場と言っても見渡す限り広大な雑草の荒野にしか見えません。ちょっとした物置小屋に管理人がいましたが、聞くとこれが管理人兼プロゴルファーだそうです。お金を払ってスコアカードを貰いましたがこれが領収書代わり、ゴルフセットも借りましたが選り好みなし、そしてボールはぼろボールをご自由にどうぞと言う次第。クラブをゴロゴロ引っ張って全て歩きです。

さてスタートしたもののティーグランドは判るもののグリーンが見えません。遥か彼方に背の低い手旗信号みたいなのが棒立ちしています。風でもあればはためくのでしょが。ラフのようなフェアーウエイでラフは20センチもあろうと思われる雑草です。ラフに入ればロストボールになりかねません。

コースの中を一本細い道(道幅2m位?)が横切っています。聞くとこれがローマ街道だと言うではありませんか。2000年の歴史、そっと石畳をさするように撫でました。この道のせいもあってアウトが10ホール、インが8ホールとなっています。改めて見るとスコアカードもその通りでした。

ワンラウンドを回って深夜12時頃、まだ明るかったことを覚えています。(写真は“Swindon roman road”で検索したもので、こんな感じとご理解ください)

翌日ロンドンに移動しましたが雑踏と喧騒の街に入って、昨日までのあの落ち着いた、緑豊かで歴史に包まれ、そしてそこに働く人たちの何と心豊かなことかと感じ入った次第です。スウィンドンの話はこれまでです。

話はこれより10年ほどさかのぼります。私はパリに駐在していました。当初は日本の飢餓輸出を思わせる仕事ばかりでしたが、確か1968年だったかと思いますが、今までの儲からない輸出が谷底でバウンドして一転稼ぐ輸出に変身したような心証を持ちました。

それはホンダがN-600スポーツカーを(アメリカ・カリフォルニア州と)フランスのみで販売を始めたからです。フランスでは喧々諤々、車の技術を教えた国が逆に攻めてきた!と言うのが彼らの心証だったのでないかと思います。若い世代の、しかも女性に人気だったこともあって日本に対するちょっとした嫉妬心を掻き立てたのかも知れません。

(東 孝昭)


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