オランダ点描(21)郵便

数ヶ月前のことだったが、朝事務所に出勤していつものように郵便物にざっと目を通していると、その中にそれまではあまりなじみがなかった会社名の大型の封筒がありました。よく見てみると、何と前日に出席したある会合の昼食会の時、同じテーブルについて初めて名刺交換をした人物からのものであることがわかりました。まだその時点では「なんだ、昨日は書類を送ったなどとは言ってなかったが、こちらとコンタクトをとろうとしていたのか・・・。」と思って、封を切りました。しかし、同封された小冊子に添えられていた手紙には、「昨日は大変楽しく話ができてよかった。この小冊子は何かの参考になると思うので送ります。今後ともよろしく。」とあるではないですか。
咄嗟に、驚きで何が何だか分からなくなりました。慌てて封筒の消印を確かめたら、はっきり昨日の日付と午後の時間が読み取れます。また、昼食後別れた時間を思い出して「2時を少し回っていた」ことを確認し、さらに、車で市内の事務所まで帰る所要時間、私の名刺を秘書に渡し小冊子を送るよう指示し、それが発送されるまでの時間、後は郵便局の手で翌日の朝一番で私の手元にその封筒が届くまでの流れを想像してみました。自らが直接持参したとしても、翌朝一番というのは容易な事ではないと思われるのに、普通郵便(速達などではなく)として、そんな早く集配できることって、日本ではあるだろうか?と、思わず知らず日蘭を比較してしまいました。そして、その時は大変な驚きを感じました。これが、わずか100円足る足らずの料金で成り立つサービスだろうか? *注)
オランダのビジネスマンのさりげないスマートさとオランダ郵便局PTTPostの仕事の迅速さに感激して、その日は一日中妙な興奮のまま過ぎたことをつい昨日のように思い出します。

*注)1996年当時の郵便料金 一般封書が80セント(50円程度)
大型封書が1.6ギルダー(100円程度)

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