フランスあれこれ67~聖ゲオルギオスの像=思い出骨董品(3)

 およそ30年前のお正月、イタリヤのフィレンツェに旅行しました。ウフツイ美術館を見学した後、賑やかな街角で見つけた彫刻に一目ぼれ!これぞ獅子王アレクサンダー大王だと思ったことでした。以来我が家の思い出陳列棚に鎮座していますが、後日これがタイトルの聖ゲオルギオス(古代のギリシャ語)と判明した次第です。そして聖人の名前を色々と耳にする中でも「サン・ジョルジュ」(St-Georges)(フランス語)がこの彫刻の戦士に一致することも知りました。

  それからある日ロンドンに出張、時間の余裕を見て“ヴィクトリア・アルバート美術館”(ロンドン中心街の一角)に立ち寄りました。ぼつぼつ時間だと思った時でした、ある一室にステンドグラス6点が並んでいました。急いで中に入りましたが6点のうち最後の作品でSt-Georgeという文字が目に入りました。急いでこの写真を撮って帰路を急いだ次第です。「イングランドの英雄聖ジョージ(St-George)がドラゴンから王女を守る」と説明文が付いています。(これはDante Gabriel Rosetti (1828-1882)制作によるものです)後日譚ですが私はこのステンドグラスを帰国後コピー制作しました。(写真は下に掲示)

パリの事務所でこの話をしたところ色々の情報を耳にしました。ドラゴンなんて実在しない。これは天変地変を表している。元来この話ローマ時代の終わり頃に出てきた神話でドラゴンは地震のことだ!溶岩の流れだ!多分ベスビオス火山だと。

登戸稲荷神社の本堂脇に木彫りの彫刻があります。日本の古典寓話「ヤマタノオロチを退治するスサノオの尊」ではないかと思いました。写真を添付します。その後宮司さんにお目に掛かり確認することが出来ました。宮司さん曰く、多摩川は昔は暴れ川だった、それを鎮める願いで神社が出来たと。

更にネットで検索しますと宗派を問わずキリスト教の教えとして今も語り継がれています。スタートはローマの落日の頃ディオクレチアヌス帝により殉教した龍退治の聖人として、そして英国ではSt. Gorgeの日として祝日、イタリヤではSan Georgioの日として本を贈る、更には同じような話がギリシャやエジプトでも伝えられていると言います。

ここで私のステンドグラスの写真をご覧いただきます。一つは最初に私が勘違いしたアレクサンダー大王(レンブラントの絵画)、もう一つは上のD.G. Rosettiの作品をコピーしたものです。

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