フランスの原子力発電=ジスカルデスタン元大統領(追稿)

過日ジスカルデスタン元大統領の訃報をご紹介した際、大統領の業績の一つとして原子力発電推進と書きました。彼の大統領就任の直前、第一次オイルショック(1973)に見舞われました。それが彼の原子力へのこだわりのきっかけになったことは間違いありません。

私の二度目のパリ赴任が1988年、その少し前1986年にチェルノブイリ原発事故が発生しています。赴任の当時はまだその影響を引きずっていて、フランスへの影響や、子供たちへの健康被害などよく会話のテーマになりました。しかし最も吃驚したのは当時既にフランスの電力の凡そ70%が原子力になっていたことでした。それを実感したのはパリの郊外に出ると大きな原子力研究所があり、少し遠出をすると俄かに空模様が悪くなり、更に少し走ると以前の青空に戻ると言う現象を自覚した時でした。原子炉の冷却水の蒸気が原因だったのです。冷静に考えるとセーヌ川を含めロワール川やローン川などフランスを代表する大きい川に沿って、点々と発電所が建設されていました。

ご存知のようにフランスの代表的で且つ日本でも良く知られた科学者にキューリー夫人がいます。彼女は自身の研究の放射能が原因で命を落とします。(ウラン鉱石からラジウム放射性物質を発見)しかし彼女の夫が仕事のパートナーであり、また息子が同じ分野で研究を続けました。さらに彼女の以前(19C末)にベクレルと言う言葉(放射線の単位)の語源になったアンリー・ベクレルもフランスの科学者です。フランスとしてはこれら先人の功績を放置できなったことは想像に難くありません。

2020年現在のフランスの原子力発電は6,600万KWで発電量の実に77%とのこと。発電量はアメリカに次ぐ世界第二位となっています。

本稿は原子力発電についての私見を申し上げるものではありません。参考までにイタリヤの原子力はゼロ、そしてドイツも極めて少ないですが方針として今後全面休止に向かうと宣言しています。(イタリヤはフランス・ドイツからの電力購入が多い、ドイツは天然ガス重視のようです。)

(写真は2019年操業を停止したドイツの発電所)


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