フランスあれこれ61~クロアチアから来たフラミンゴ=私の想い出骨董品(2)

 半世紀以上も昔の想い出です。時代は旧ユーゴスラビアの時代、ソ連の影響下にあった共産主義国家でした。日本からの来客がザグレブに到着、それに合わせて空港で落ち合うことにしました。私はミラノから陸路レンタカーを準備しました。現地での移動も考慮してのことです。順調に国境を通過、初日の宿泊地リエカに到着。当時は特別の知識も持たなかったのですがここは名だたる観光地です。夜遅いこともあり景色どころではありません。睡眠前の一杯と思ったのですがカフェやバーは既に電気が消えていました。ボーイさんに相談した結果、自分のボトルをお持ちしますと親切でしたがチップを期待してのことは言うまでもありません。

当時は高速道路もない時代、海岸沿いの道はともかく、リエカからは内陸と言っても山越え、でも走行する車が少なく一応予定通り空港で合流、得意先に向かいました。田舎町で実にのんびりした風景、昔の田舎の小学校のような事務所に到着しました。

私が社長ですと出て見えた老人(いや失礼、老紳士)と小一時間の商談ですべて終了。飛行機の時間までという事でワインで軽く雑談となりました。記憶にあるのは、当時の社長は選挙で決まるとか、社長の給料も月例の給与らしいことでした。

日本からの出張者からのお土産にお返しするものがないと言っていましたが、さて出立の時、思いついたように頂いたのが写真でご覧頂くフラミンゴの彫刻です。応接室の一角に静かに佇んでいたことは知っていました。現在は我が家の想い出陳列棚に鎮座しています。

その日のうちのパリ帰宅はとても無理と考え、ヴェニスで一泊することにし、ヴェニスでレンタカーを返却。翌日街をぶらぶら一巡、次回の旅行の下見で今回は我慢することに。

 それから約50年、いやそれ以上経過、本稿を書くにあたり果たしてこの鳥は間違いなくコウノトリか、それともサギでは?と考え、ハイムの物知り博士にこの画像をお見せして判断を仰いだところ、即答で「いずれでもない!これはフラミンゴだ。欧州南部の塩水湖などで生息する。」とのご宣託。確かにくちばしが内側に折れていて「なるほど!」と納得、よくぞお聞きしたものだと思った次第です。

この機会にと少し勉強しました。フラミンゴは古代エジプトの神話の霊鳥「ペンス」で太陽と再生のシンボル、或いは不死の霊鳥、或いは鮮やかに舞い上がり光り輝く者などを意味する由。

コウノトリやサギと異なりフラミンゴの身体が赤いのは食料の関係(β-カロチン)でこれを接種しないとコウノトリのような白い体になるとのことです。

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