フランスあれこれ83 フランス人のカップル

先ずは思い出話からです。半世紀以上前でしょうか、フランスの田舎町で見た光景です。それは村役場の掲示板に小さな貼り紙を見ました。「住所AのAAさんと住所BのBBさんから結婚の申告がありました。本件に異議のある方は何月何日まで(一週間以内)に申し出るように」と言う内容でした。異議がなければその役場で形式的なものせよ結婚のセレモニーが行われ、そのあと教会での結婚式となると聞きました。

当時の教会は日曜日の礼拝に多くの人が出掛けていました。下宿の叔母さんやご近所の皆さん、シャワーを浴びて身を清め、しかも正装と言う出で立ちでした。この日の教会は満杯でした。

それからおよそ20年、状況は一変していました。日曜礼拝も閑散としていて、教会での結婚式も殆ど目にしなくなりました。知人のお嬢さんの結婚式に2度ほど出席させて頂きましたが、多くのカップルは正式な結婚はしないと言います。

順調な戦後の復興の後、科学技術の発展や、経済の高度成長などで合理的な考えが日常生活に浸透するなどの環境変化が根底にあって教会離脱が進んだと言います。尤もそれまでの教会詣では既に高齢者が中心だったという意見もありました。その上女性の社会進出が結婚を躊躇させたなど日本の状況からも推測できるところです。この頃少子化問題でフランス政府が色々と苦心と研究を重ねていたことは事実です。結果は皆さんのご想像通りフリー恋愛と同棲、そして政府の後押しでの子育て支援がこの環境をさらに推進する結果となったのではないかと思います。

フランスの結婚は契約だと言います。結婚時の夫々の資産が登記されると聞いています。これは即離婚を前提としている?としか言いようはありません。また教会(カトリック)は離婚を認めないとも聞いたことがあります。

昨今、昔ながらの正式結婚と教会での婚礼はともかく結婚するカップルは20%とか30%とか耳にします。しかしこの数字がフランス全体だとすればパリは多分その半分くらいではないかと思います。結婚ではなく政府の認めるカップル(PACS)も同じくらいの数字になるかと想像します。この制度は二人の収入を合計して申告できる制度で有力な節税対策です。留学で恋人ができそのまま在留するときは大抵この類のカップルだと耳にしました。滞在許可を得る必要があるからです。それ以外はフリーカップル(ユニオンリーブル)で最多を占めることになります。

如何でしょうか、近い将来の日本を暗示しているのでは?と思うのは私だけでしょうか。

(以下蛇足です)

私は神前結婚でした。当時これが普通だったと思います。その後経済の発展、バブル景気へと進みますがこの間に結婚式も多様化、教会での儀式、中にはハワイに出かけて教会で婚礼など。この段階ではフランスと正に逆行の感がします。とは言え日本も多様化、結婚を躊躇する人、或いは女性の社会進出など共通する世の中の変化も見逃せません。私は少子化問題も含めて注目しています。


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