フランスあれこれ 77 フランス人の表と裏=香水

フランスに足を踏み入れて最初に語学研修で過ごした田舎の下宿の向かいの八百屋さん。作業服を着た青年がいつも元気に大声を出していたのを思い出します。ある日曜日の朝、部屋の窓を開けてビックリ、いつもの作業服ではなく立派な背広にネクタイ姿。大きな声で「ヤー、今日は!良いお天気だね!」と上機嫌のご挨拶。下宿の叔母さんの説明によると、彼は週に一度日曜日の朝のシャワーで身体を清め、それから教会に出向くのだとのこと。

事務所の近くに公衆シャワーがありました。単身赴任の男三人組で向学の為一度中を見ておこうという事で入ったことがあります。シャワールームが30室くらい並んでいたかと思います。確か15分ぐらいの時間制限で入ることが出来ました。時間を超過すると追加料金という事です。今考えるとマドレーヌ寺院のすぐ近くだったので、ひょっとしたら教会詣での前のシャワーだったのでしょうか。

いずれも半世紀以上前の話ですが当時の若いフランス人は週に1~2度しかシャワーを浴びないとのことでした。パリの気象状況として非常に乾燥していて肉体労働でない限り余り汗をかかない。むしろシャワーの後のケアーを考えないと皮膚や髪の毛のために良くないと説明を聞いたことがあります。

以上が裏の話。そこで登場する表の話は香水とオーデコロン。フランス人は大量に使用します。人それぞれの好みで香りを選ぶので、「今マダム何とかさんが見えましたね」なんて会話が出るほどです。昔のエレベータに乗るとすぐ先にどんな人が乗ったか良く分かったものです。強い香水の香りがしたり、ワインの匂い、時には臭い体臭が残っていたりと言う次第です。

フランス人の体臭は風呂やシャワーだけの問題ではありません。平素の食べ物、特に肉やその加工品、そして匂いの強いチーズやそれを使った食べ物、それにワインも大きな背景ではないかと思います。

追記ですが一つ思い出したことがあります。借家の主から夜8時以降は風呂もシャワーも遠慮してくださいと言われました。床が板張りという事もあってご近所に雑音で迷惑をかけるからと言うのが理由です。連日来客などで思うように風呂に入れない時は先ずお客を我が家に案内して家内に任せて軽く一杯をやってもらいます。その間に急ぎ私がシャワーを取ることにしたものです。

また夜間の安い電気料金を利用してお湯をため朝からシャワーと言う背景もありそうです。この時の湯量も制限されるので家族が曜日を割り振って利用したとも聞きます。

もう一つ、オーデコロンはフランス語で“Eau de Cologne”ですが、この意味は「ケルンの水」です。発祥はドイツのケルン、現在、いや当時既にポルトガルで製造していたようです。

    フランスあれこれ 77 フランス人の表と裏=香水” に対して1件のコメントがあります。

    1. 東賢太郎 より:

      1971年春、学生の時に欧州を2ヶ月間ひとり旅した時に、特にフランスではすれ違う女性の香りを感じ、歩きながら鼻をすませていました。香りのイマジネーションの大切さを知り、帰国後にコロンをつけるようになり、独立して化粧品店を始めてからは、フレグランスを揃えてお客様に進めていました。4711は一時期日本でバカ売れしてましたね。
      香りの種類にこだわりはありませんが、何も付けないのは残念です。

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