フランスあれこれ73~送別に頂いた杖=思い出骨董品(5)

一席お笑いをお聞き頂きます。

パリ駐在を終えて事務所の皆さんとお別れする時の話です。慣例に従って夕方の仕事明けのタイミングに、会社の会議室で簡単な挨拶の場が設けられました。事務所の皆さんの他、日本からの出張者や来客の皆さんにも参加いただきました。

かねて皆さんの好意で何か思い出の品を贈りたいと相談をいただいたのですが、私は「皆さんとの貴重な思い出を沢山頂いています。これ以上の思い出はありません。」とお断りしたのですが、皆さんは最後に私の家内に相談したようです。その結果一本の杖を頂くことになりました。

事務所の一階すぐのご近所に杖の専門店があり、日本からの旅行者と一緒に何度か冷やかしに入ったことがあります。一度は色々な杖の仕掛けを教えてもらったことがあります。取っ手のねじを外すと薬入れやブランディーの小瓶が入っていたり、先のとがったナイフだったり、時には子供をあやす人形が飛び出して大笑いしたものです。

さて頂いた杖にはこの種の仕掛けはありません。そこで思い付きの一説。「家内の選択だったようでその思いを色々想像をしますが、私にぴったりなのは、この杖の使い方をしっかり頭を使って考えろ!というところでしょうか。私はすぐにこの杖のお世話になるつもりはありません。出来るだけそうならないように頑張ります。家内の思いもこれだと認識しています。しかし、私はもうひと踏ん張りして、この杖を積極的に活用したいと思います。」そこで私は杖を上下逆にして身近にいた女性の首に近づけたのです。今ならセクハラと非難を受けるところでしょうね。

この動作が皆さんに大うけ、拍手喝さい、挙句の果てはフランス人から「あなたは本当にフランス人だ!私はそれを認知しま~す!」皆さん大笑い、そしてシャンパンで乾杯したのが私の想い出の追加となりました。

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