がんを考える9~突然がんを宣告されたら

monshin_doctor_seriousある日突然「がん」を宣告されたら?
もし、突然がんを宣告されたら自分はどうするだろう?

--こんなことを予め考える人はそういないでしょう。でも、現実に起こることなんです。私は、がんを治療中であることを少しの間伏せてきました。友人に余計な心配をかけたくないという気もちと、告白して何の意味があるだろうという疑問があったからです。

これまでは、自分が「がん」に侵された時に、それを告白することなどとても考えられませんでしたが、ある時から考えが変わりました。そのきっかけとなったことが二つあります。

ひとつは、2、3日後に入院・手術を控えたある日、文化放送のラジオ番組「キャンサーカフェ~みんなでがんを考えよう~」を聞いたときでした。当日ゲストで出ていたのは、治療法が確立されていない難病であるスキルス胃がんの宣告を受けて闘病を続けておられる轟哲也さんと浩美さんご夫妻でした。

2013年12月、轟哲也さんがスキルス胃がんの宣告を受けたときから闘いが始まりました。月単位の余命を宣言されても、希望の会を立ち上げて敢然と闘い続けておられる轟夫妻の強さに打たれました。番組での轟さんご夫妻の話を聞いて私自身の考えがこの時変わりました。友人にもはっきり自分たちの病気を公言して勇気を持って闘おうという気持ちになりました。

自分のがんを告白しようと思ったもう一つの理由は、診断が出てすぐに故郷の姉に連絡をしたときに言われた言葉でした。姉は、迷うことなくこう言いました。「簡単ではないかもしれないけど、今は治療法もいろいろあってがんも治る時代だから、暗くならずに笑みを絶やさないようにしなさいね」と。

一言でがんといっても、いろいろな場合があって同じ病名でも治る人、治らない人さまざまな結果が待っています。がんを宣告されて落ち込んでいる人に、「笑え」と言っても到底無理なことかもしれません。しかし、私にとってこの姉の一言は、今私がどんな気持ちなのかを十分に察してかけてくれた、とても暖かい一言でした。

自分たちよりもはるかに治療が難しいがんと闘っている人もいる。しかも、がん患者が受け入れられやすい社会を目指した活動までしている。決して下を向かず笑みを絶やさず過ごしている。この事実を知ったとき、そして姉の優しさに触れたとき、私は自分たちのがんとの闘い方を変えました。

昔から、「病は気から」といいますが、絶対に治すという気持ちをしっかり持つことで自分の身体の細胞の自己治癒力を高めることができると信じます。マイナス思考は、細胞の自己治癒力を弱めます。ですから、ネガティブな考えは捨てて、闘う意識を持つことが大切だと思います。

自分一人の殻に閉じこもってしまうと、マイナスの考えばかりが大きくなって病気の回復にはよくありません。他人がどう闘ったのかを知ることも参考になりますし、気持ちの持ちようも変えることができます。私たちも考え方を変えました。もう下は見ません。妻と二人で一緒に闘います。そして必ず治します。

P.S.
私たちががんを告白して闘病を始めてしばらくしたとき、タレントの小林麻央さんがブログを始めたというニュースを聞きました。若い女性であるにも関わらず、頭髪の抜けた頭に帽子やカツラをかぶった写真を公開したり、女優が顔色の悪い病気がちの姿を世間にさらすなど相当勇気のいる決心だったに違いありません。彼女も戦っているなと思いました。

30歳台の若さで闘病をしている姿はほんとうに気の毒に思います。しかし、彼女は、自分の人生の病気の部分だけを見て欲しくない。気の毒とは思わないでほしい。いろどり豊かな人生を見て欲しいと訴えています。この勇気は、すべて子供さんのため、家族のため、そしてなにより自分自身のためでしょう。母の強さとその精一杯生きようとする勇気にはほんとうに頭がさがります。彼女の笑みを絶やさずに闘っている姿に感動を覚えました。

特に、この部分に感動しました。
「例えば、私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。「まだ34歳の若さで、可哀想に」「小さな子供を残して、可哀想に」でしょうか??

私は、そんなふうには思われたくありません。なぜなら、病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。・・・」

まるで、何十年も修行した高僧の言葉のように思いました。

~つづく~

蓬城 新


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