私の好きな仏像 (3)

4.渡岸寺(向源寺)十一面観音立像(国宝)

渡岸寺は琵琶湖東部、観音の里にある56寺のうちの一寺である。京都の御所・比叡山を結ぶ直線の延長線にあり、御所の鬼門の守り寺である。

この観音像は美しさに全て集約される。天平時代泰澄の作で、日本彫刻史上の最高傑作と言われる。肉感的で腰を軽く左に捻った躍動的な姿はセクシーである。

昭和30年代ルーブルの副館長がこの観音像の美しさに感動し、パリのルーブルへの貸し出しを申し入れた所、寺側は返却されぬのではと不安がり申し入れを断ったという。しかしあきらめ切れぬルーブルは、ミロのビーナスと同時期同期間のバターの貸し出し案を提案したが結局実現しなかったという。

私の好きな仏像で不便なところにあるが4回行っている。

JR湖東線高月駅下車。

5.中宮寺 弥勒菩薩半跏思惟像

本来なら東大寺三月堂の不空羂索観音を中心とした仏像郡か法隆寺の宝蔵院の百済観音を選ぶべきかも知れぬが、あえて中宮寺の弥勒菩薩を選んだのはこんな理由による。

中宮寺は法隆寺の東端にある小さな寺であり、法隆寺を見て中宮寺へと廻るのが普通の順路である。

法隆寺には百済観音、釈迦三尊像等膨大な仏像郡があり、一巡すると脳に疲労感がたまる。

その後、中宮寺で弥勒菩薩に出会うと、そのやさしさに緊張感からの解放感が味わえる。展示場所も解放的である。

中宮寺を選んだ事で広隆寺(京都太秦)の弥勒菩薩(国宝指定第一号・明治26年)も許してくれるであろう。

 

井口睦康

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