皆さん、「パーリング (Paling)」ってご存知でしょうか?
これはオランダで食べられるウナギの燻製のことです。ウナギを燻製にして、中骨を抜き皮を剥ぎ蒲焼にする時のように開いたものが売られています。酒の肴にはぴったりの食べ物です。結構油が強く、ジュネーバーという酒には実によく合います。
オランダでは、ちょうどスモーク・サーモンの真空パックと同じように、パックに入ったものがスーパーなどでも売られています。また、スキポール空港でもオランダ土産としてチーズなどと一緒に置いてあります。私も日本への土産に持ち帰ったことがあり、呑兵衛には大うけでした。わが息子などは、「これはいける」と、とても気に入っていました。

任期を終え帰国してから、この味を思い出し、輸入食品を扱っている店などでいろいろ探しましたが、一度だけ、紀伊国屋で見つけたことがありましたが、その後紀伊国屋でも見かけなくなりました。日本人の好みには合わないから?それとも、他の理由で仕入れを止めた?のでしょうか。筆者個人としては非常に残念でなりません。未練がましく、それ以降もインターネットでいろいろ調べては見るものの、オランダ産の gerookte paling の紹介はありません。ただ、イギリスの smoked eel、ドイツの raucher aalがあり、材料も調理方法もそのものずばりですが、オランダのものとはどこか違うように思います。少なくとも、日本のウナギの燻製という名でネットで売られているのは全く違う代物のように見受けられます。ということで、この写真からどのようなものなのかご想像いただけますでしょうか?

これは全くの偶然ですが、このパーリングを作っている工場の前を通りかかったことがありました。あたりは燻製を作るいぶした煙の臭いが立ち込め、どこかで燻製を作っていることはすぐに分かりました。すると一つの建物の扉が開き、そこから黄金色というかヤニ色というか、細いものがたくさんぶら下がってどんどん運び出されているではありませんか。ちょうど、洋服を陳列する時にハンガーごとつるすキャスターのついたもの。これにぶら下っているのはすべて燻し終えたウナギなのでした。ああ、これがさらに身の部分だけに調理加工され真空パックになって店先に並ぶのか、と思いながら通り過ぎたことを思い出しました。

最後に、最近知り合った友人が結構飲める方で、酒の席でこのパーリングの話をしたところ、オランダで食べてすっかりはまってしまったとか。しかし、この方も日本で食べられないのが残念と、私と同じようなことを言っていたのを聞いて、なぜか親近感が湧きました。パーリング仲間といったところです。

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