追憶のオランダ(32)KLMのおまけ

オランダのナショナル・フラッグ・キャリアのことを日本ではKLMオランダ航空と呼んでいますが、KLMの正式名称 Koninklijke Luchtvaart Maatschappij にはオランダという国名はついていません。逐語訳すれば、王立航空会社というだけのこと。しかし、民営の会社で、「王立」の名称の使用が許されているという航空会社なのです。英語名にして、初めてRoyal Dutch Airlinesということでオランダの会社ということがわかるのです。
私はオランダ勤務時代それほど頻繁に飛行機を利用することはありませんでしたし、利用するにしてもほとんどがエコノミークラスでビジネスクラスに搭乗することはそれほどありませんでした。KLMはビジネスクラスに搭乗すると、必ずあるものがもらえるのです。それは、オランダの17世紀頃の建物を模したデルフト焼きの小さな瓶なのです。左の写真をご覧ください。各ページの左に見えるのがその瓶です。その中には私が今も愛飲するオランダのスピリッツ、BOLS社のジュネーバーが入っています。瓶自体小さいので封を切るとほんの一瞬で中身はなくなってしまいます。一番最初にそれをもらった時は、「なーんだ」くらいに思っていましたが、帰りの便でもう一個形の違うものをもらいました。それで隣の客を見ると、これまた違う形の瓶をもらっています。その後、KLMのFlying Dutchmanというメンバーに加入して分かったのですが、このジュネーバーのはいったデルフト焼きの瓶はKLM名物のコレクションアイテムになっていたのです。何十個も、オランダ各都市で有名な実在する建物を模したシリーズ物になっていたのです。私がいた頃は70数個のコレクションになっていました。聞くところによると、かなりのファンがいて、お互いダブっているものを交換する会などもあるようでした。それ以降、できればビジネスクラスを利用できることを期待もしていましたが、残念ながらそれほどの数にはなりませんでした。

ある時、メンバー向けのサービスとして、それまでに作られた全建物(瓶ですが)を網羅し解説をつけた小冊子を無料で配布するということで、すぐに申し込み入手することが出来ました。右の写真です。どの町の、どの通りにある、何という建物か、何年に建てられたか等々詳しく記されているものでした。上の写真は中の解説をしたページです。

しかし、日本に帰国するまでに集まったのは、たったの9軒ですが、今我家の食器棚の中で他の食器類と同格にオランダの街並みを再現して並んでいます。アムステルダムなどの運河沿いにずらりと並んだ建物と同じように。それにしても、なぜ5往復分10軒ではなく、9軒(4往復とあと片道分)になったのか・・・。

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