追憶のオランダ(34)奇妙な地形-2

周囲の地面より水面の方が高い場所もあちこちで見られます。日本でも天井川(てんじょうがわ)といって、川沿いの地面より川床の方が高い川がありますが、理屈はこれと同じです。水溜まりの周りに堤防が築かれているので、その堤防が高ければ水面と周りの地面の差がはっきりと分かります。

アムステルダムの南Oude Wetering という干拓地の近くのBraasmerMeerという池で、友人にヨット遊びに誘われた時、池の中ほどから周りを見ると、皆家々の屋根の一部しか見えません。おそく家は2階建てでしょうから、4-5mは水面が高いということです。面白い景色ではありましたが、なぜかヨットに乗っていて尻のすわりが悪く感じたのを思い出しました。この写真はヨットの上からのものです。

また、その池のすぐ西側にロッテルダムからアムステルダムに向かうA4という高速道路が通っていますが、その水溜まりから続く水路が、その高速道路の上を通っているのです。確かに道路自体がわずかに掘り下げられてアンダーパスのようになってはいますが、何とも妙な感じがします。おそらく日本なら、水路は自然の高さで流し、その上に橋を架けて高速道路を通すのではないかと思いますが、オランダではそうではないのです。水路を上にする方が合理的なのでしょうね、きっと。ということで、高速道路を走りながら、その上をレジャーボートやヨットなどの小型の舟が横切っていく光景を見るのは実に不思議な気分です。

さらに、オランダの空の玄関スキポール空港は現在このA4という高速道路をまたぐ形になっています。昔は、空港の西側を高速道路が通っていたのですが、空港の拡張をする際、東側にはスペースがなく止む無く西側への拡張せざるを得なくなったようなのです。しかしそこには高速道路が通っている。さて、どうしたものか?結論から言うと、道路の部分を掘り下げ、トンネルにして空港の敷地をそのまま西側に押し広げたのです。なんという力仕事でしょう。もちろん反対運動はあったようですが、出来上がった姿は、高速道路を走りながら空港トンネルの近くからは、その上を悠々と西側の滑走路と東側のターミナルビルの間を行き来するジャンボ機を間近に見ながら、やがてトンネルに入るということになっています。子どもたちはトンネルに近くなると飛行機が通らないかなあと期待し、運よく飛行機を見つけると大喜びです。

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