追憶のオランダ(19)サッカー熱

今では日本もJ-1人気で、子供たちもそれまでの野球一辺倒だったのが、サッカー少年も随分ふえているようです。でも、ヨーロッパ(だけに限らず)のサッカーに対する熱の入れようはやはり日本の比ではないのも事実です。ワールドカップ・欧州チャンピオンリーグ等サッカーの国対抗の試合ともなると、皆驚くほど熱くなる。以前のこのシリーズでも書いたことがありますが、オランダ赴任直後にロッテルダムで大乱闘があった。これは喜びが爆発し過ぎて、大乱闘にまで発展したわけだが、何年か前の欧州チャンピオンリーグの試合が行なわれた時、たまたまバルセロナからの出張帰りに、飛行機から大勢のバルセロナサポーターがロッテルダムを目指しているのと乗り合わせ、スキポール空港からロッテルダムまでの列車の中でも大騒ぎ。また、地元オランダのサポーターも続々ロッテルダムに集合、徐々に異様な雰囲気が漂ってきました。

戻ってみると、その試合の日は、街なかの店は夕方早めに閉店してガラスのショー・ウィンドーは外からベニヤ板などで補強し、物々しい警戒態勢がとられていました。警官も普段より大勢出動して、これから一体どんな大変なことが始まるのかというピリピリした感じ。試合の結果は忘れましたが、その日も以前見たのと同じ大変な騒動になったことには変わりはありませんでした。試合そのものにも興奮するのでしょうが、一部のサポーターはその後の大乱闘にこそ生き甲斐を見つけているのでしょうか。写真は、フェイエノールトロッテルダムのスタジアム。

一方、こちらは乱闘こそしませんが、あちこち仲間内で試合の勝ち負けでささやかな賭け事に夢中になります。私の会社の連中も例外ではありませんでした。単なる勝ち負けだけの予想ではなく、両チームのスコアまで入れた予想になります。0-0から始まり予想されそうなスコアすべて。これは、なかなか当るようで当らない。でも当ると、最低でも配当5-6倍というのはよくあったようです。自分の国の勝ちを信じたいが、賭けで負けるのも癪だし、という複雑な思いで賭け、ビールを片手に、一喜一憂しながら試合の進行を熱く見守ります。それを横から醒めた目でながめているのも、また面白いものです。

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