ハイム文壇の作家たちによる作品をお楽しみください。
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新着記事

荻悦子詩集「時の娘」より「扉」

扉 でだしが肝心なのだ 低く遠慮がちに 甘すぎてもいけない 「ミシュレです 奥さん」 「どなた」 「ミシュレです どうか扉を」 三階からの声は「何」「誰」を繰り返した挙句 冷淡な「ノン」 インターフォンは切られてしまった …

追憶のオランダ(35)コーヒー好きの人々

オランダ人は大のコーヒー好きである。朝起きて出勤する前に家で1-2杯、仕事場についてから仕事にかかる前にもう1杯。朝の一仕事が一段落したら、またもう1杯。朝の仕事を始めるのは意外と早い、そして、昼食の時間は12時30分く …

天才と凡人 ~中川牧三―近代日本の西洋音楽の歴史を創った人物~その1

天才と凡人 「天才とは天性の才能である。」(広辞苑より) 結果だけを見て、凡人には想像も出来ないことを成し遂げる人間を私達は単純に天才と呼んでしまう。 「シューベルトは梅毒の病魔が脳を侵し、その正常と異常の狭間で『冬の旅 …

十男記者に社会の洗礼

「末っ子十男」のボクは記者研修を終え、幹部の前で配属希望先を聞かれた。同僚ほとんどが「社会部」「経済部」「運動部」など取材部門を希望していたがボクは「整理部」と答えた。高校時代に新聞部で少し新聞というものをかじっていたの …

シンゴ旅日記インド編(その58)ある一日 食べ物の巻

駐車場に八百屋さん:私の住んでいるアパートは近くに植物園や競馬場のある郊外にあります。商店街から離れていて、近所には野菜、乾物などを売る小さな商店が2軒+卵専門店+床屋さんがあるだけでした。しかし回りにアパートが林立して …

新加坡回忆录(17)ギックリ腰

あれは、30歳代半ば、シンガポールに駐在中の出来事だった。ある日、親しくなった友人夫婦4組で、「まる一日スポーツデイ」を開催しようということになった。普段から夫婦でテニスを一緒に楽しんでいた気の置けない仲間だったので、と …

囲碁ーーニューヨーク滞在記(13)

平成20年4月23日(水)快晴、朝から暖かいのでセーターを脱ぐ [ウォーキング] 再度、セントラルパークを目指す。公園の中は静かですがすがしい。公園の東側、5番街に沿って北に歩く。途中で西にぐるっと回って、南端にあるプラ …

荻悦子詩集「時の娘」より「落日を」

落日を   オレンジひと房を 陽に透かす 果肉には 点々と紅い血の雫 行き倒れた物乞い 革命の幻に傷を負った戦士 オレンジの樹の下に 癒されることのない渇き 光るオレンジの濃緑の葉 香るオレンジの白い花 生きの …

追憶のオランダ(34)奇妙な地形-2

周囲の地面より水面の方が高い場所もあちこちで見られます。日本でも天井川(てんじょうがわ)といって、川沿いの地面より川床の方が高い川がありますが、理屈はこれと同じです。水溜まりの周りに堤防が築かれているので、その堤防が高け …

イラン追想(その30)テヘランの思い出(17) 最終回

1978年の年末、筆者は特別救援機でテヘランを飛び立ち、イスタンブールに避難しました。 地方都市から始まった反体制派のデモが燎原の火のように広がり、首都テヘランの日常も大きく変わろうとしていました。夜間外出禁止令が敷かれ …

十男 新聞記者になる

 11人きょうだいの末っ子「十男」のボクは高校生時、公務員などを希望する就職コースのクラスにいた。部活動は新聞部。年に3~4回発行する高校新聞を取材、制作していた。新聞を作る楽しさや読者(高校生)の反応に新聞作りが非常に …

シンゴ旅日記インド編(その57)寅さん インド単身赴任の巻

いえね、今度、日本に帰りましたら、贅沢は申しません。 うっすらと醤油をかけて、カラカラと掻き回した生卵を、熱~い、白~いご飯の上に乗っけましてね、そして、混ぜて食べることができれば、それだけでよろしんでございます。 でも …

新加坡回忆录(16)運動会

赴任してどれくらい経った頃だったのか、はたまた主催は日本人会だったのか学校だったのかも忘れてしまいましたが、シンガポール在住日本人の大運動会がありました。この日は、日本人家族がほぼ全員参加して一日を過ごすというとても楽し …

Hop step & jump! (ドイツの友人との別れ)

出会いも突然でしたが別れも突然でした。お付き合いも3か月程度だったかと思います。ある日彼が事務所に現れた時、真面目な相談をしたいので近くのカフェに行こうと言います。私もちょっと休憩という事で気楽にお付き合いしました。 彼 …

荻悦子詩集「時の娘」より「城」

城 風化が進行する高い城壁 ひと群れ 菊科と思われる草がとりつき 橙色の花を咲かせている 肋骨交夜穹窿 堅固な梁でドームを支え 高く より高く 鈍化への烈しい希求 絶対を求める精神は 血まみれの手を要求した 嫌悪 憎しみ …

追憶のオランダ(33)奇妙な地形-1

オランダの地図を見ていると奇妙な地形があることに気付きます。10万分の1の縮尺の地図であれば、それははっきりと分かります。そこは水であることを示す青色で塗られていて、○○Meer(メーア), △△Plas(プラス)と 書 …

イラン追想(その29)テヘランの思い出(16)

機上から見たイスタンブールの町はカラフルで、イランの風景とは異なっていました。 特に、屋根の形状が三角形で、切妻であることが印象的でした。雨の少ないイランでは、ほとんどの建物の屋根がまっ平で灰色だったのです。 しかし、私 …

末っ子10男 命名の怪

私は農家の十男。きょうだい全11人の末っ子。長女が生まれて以来、男が十人、私はそのトリ。今なら「テレビ番組の大家族特番」だ。姉兄とは母親父親ほど年齢が離れており、すでに上8人は黄泉に旅立った。 進学時の申請書や会話の時に …

シンゴ旅日記インド編(その56)寅さん 天竺を語るの巻

お兄ぃさん、ちょっと声をかけさせてもらってよろしゅうござんすか。 さっきからお見受けしていますと、こんな飲み屋の食いモンを旨そうに食べておられますが、そんなに旨いもんでございますかね?えっ、久しぶりの日本の飲み屋なんで、 …

新加坡回忆录(15)映画

シンガポールはよく文化のない国といわれます。文化のない国などあるはずがない、大なり小なりあるはずだと反論する方もおられるでしょう。考えてみるとどちらも正しい一面があります。要は、何をもって文化と定義するかの問題です。 た …

ラグビーW杯考

日本対スコットランド 日本リードしてノーサイドまでの残り30分が数十時間に思えるほど長―く感じました。「たかが30分、されど30分」、残り1分ではゲームよりタイムばかり見ていた感じ。時間の尊さを忘れていたこと十二分に気づ …

短歌三首(安藤早苗)

安藤早苗さんの新しい短歌を紹介します。

パリの地下道探訪(ドイツの友人との出会い)

半世紀を超す昔の思い出です。パリの事務所に突然現れたドイツ人、有名なドイツの機械メーカーのパリ事務所の青年です。私達のパリ事務所には機械部門がなかったのでたまたま私が応対した次第です。丁度同じくらいの年齢、駐在と言っても …

荻悦子詩集「時の娘」より「湖」

湖 160年あまりも昔 ひとりの詩人が 湖を眺めにかよったという丘の上 記念碑のそばに座ると 黄色い野の花がそよぐ草原の先に 浮かびあがる湖 鈍い灰青色の湖面 ぽつりぽつりと小舟の帆 突風に襲われた病身の女性を 救った青 …

追憶のオランダ(32)KLMのおまけ

オランダのナショナル・フラッグ・キャリアのことを日本ではKLMオランダ航空と呼んでいますが、KLMの正式名称 Koninklijke Luchtvaart Maatschappij にはオランダという国名はついていません …

イラン追想(その28)テヘランの思い出(15)

当時、国際電話をかけるには非常に高い費用がかかることからよほどの緊急時に限られ、テレックスが国際通信の手段として広く使用されていました。 アルファベットや数字、記号などが紙テープに開けられた穴の組み合わせで表されるように …

シンゴ旅日記インド編(その55)インド駐在員の話の巻

昨年の正式赴任前にインドに出張し日系企業のお客様にご挨拶して回りました。 その時に駐在員の皆さんからお聞きした話です。 こちらからの質問は単身赴任なので次のようなものでした。 『食事はどうしているか?』 『掃除はどうして …

新加坡回忆录(14)半袖スーツ

シンガポールは赤道直下の熱帯の国です。その暑さは半端ないものなので、服装は当然それに合わせたものになります。休日ならTシャツに短パンで充分で衣装入らずということもできますが、それが却って、ファッションを楽しむことができな …

囲碁ーーニューヨーク滞在記(12)

平成20年4月22日(火)晴れ、気持ちのよい朝が戻ってきた [ウォーキング] ブルックリン橋の橋脚のたもとに立って見上げる。この巨大な橋が江戸末期の日本では攘夷だ開国だと大騒ぎをしている時代に作られたということは、その当 …

荻悦子詩集「時の娘」より「白馬」

白馬 内海の白浜を 疾走する白馬 ざわめき揺れあがる おまえの豊かなたて髪は 波よりも優美な白銀の流れ 砕ける波頭よりも繊細な 瞬時のきらめき カマルグの原野 潮のさす沼地に戻れば おまえの仲間とともに 闘牛の牛たちも放 …

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