続おぼろげ記憶帖 (5) 180度真反対の日本とフランス vol.4

姓名 日本では姓・名の順。フランスでは名・姓の順。日本では姓は親族、地域による珍しい名前を除いて比較的聞き取りやすく判りやすい名字が多いです。鈴木さん・佐藤さん・斎藤さん・吉田さんなど全国的に分布していて○○会などと数を競い合い、血のつながらない同姓の集まりもあるようです。名前を付けるのには先祖から親から子へ一字ずつ受け継いだり字数や字画にこだわったり、名付け親として識者に頼むこともあります。最近は綺麗な文字、響きの良い個性的な読み方の名前が増えました。もし成長して選挙候補者になった時はふり仮名を付けたり仮名文字に変えたりしなければならないな~!と余計なことを考えてしまいます。お七夜命名を書くのはどなたなのでしょう?

一方フランスはECになる前からずっと陸続き、ヨーロッパ大陸の一部です。外国人でもフランスで生まれればフランス人としての国籍が得られます。でも本当は人種のるつぼ。民族、宗教の異なる世界中の人たちが住んでいます。姓は読むのも聞くのも難しい名前ばかりです。

カトリック聖人カレンダーというのがあり、キリスト教の聖人の名前が365日びっしりと書かれています。ニコラ・アン・ブリジット・モニック・ジャクリーン・ジャン・ルイ・テオドールなど生まれた日に沿って判りやすい名前を付けることが多いようです。時にはアン・マリー(アネマリー)エリザベートなどという長い名前は双方の母と祖母の名前を連ねたという例もあります。お付き合いをする時日本では~さんと姓で呼びますがフランスでは名を呼び捨てにします。マダムもマドモアゼルも付けません。私の額装の先生にも呼び捨て。ジャクリーンでしたが親しみを込めて教室の仲間はジャッキーと呼んでいました。日本人には考えられないことで私は慣れることは出来ませんでした。

そしてマダム東と呼ばれてもマダム明江と呼ばれることはなく、東夫人であっても明江夫人ではない。参政権は他国よりも遅くに認められました。このことからもフランスは結構男尊女卑であるのかと思う事があります。家計を夫が管理していて妻には財布を持つ自由がなかったようです。それ故にドゴール大統領からミッテラン大統領に政権が変わった1968年のパリ革命以来女性も仕事を持ち社会的経済的にも地位と自由を得るようになったのかと思う事があります。

教会のステンドグラスで聖書のこと聖人のことを教えられます。敬虔な教徒は聖人の区別が付きます。

                              
東 明江

 

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