続おぼろげ記憶帖 (2) 180度真反対の日本とフランス vol.1

時差 日本の8時間遅れて昼と夜が逆になります。パソコンやスマホのある現代とは事情が異なり当時は大変な不便がありました。

天気 内陸性の気候で緯度は樺太と同じで本来は日本よりは寒いのです。でも湿度が低いために雪の降るのは珍しいです。寒さが日本では足元からジンワリと冷えてくるのとは反対に上の方から肩に冷気が下りてきます。スカーフを首に巻いて、分厚いマントウと呼ぶにふさわしいオーバーを着て大判のウールのマフラーを掛け、手袋は必ずというのが冬の服装です。でも足元はナイロンのストッキングと靴はパンプス。ブーツを履くのは洋服に合わせた時だけで防寒用ではないようでフランス人のおしゃれ感覚は徹底しているようです。家の中は集中暖房で冬でも素足でポロシャツでも過ごすことが出来ます。

夏は最近の温暖化でいくらか変化はあると思います。当時は朝部屋中の窓を開け、空気を入れ替えた後シャッターを下ろして窓を開けて過ごしていました。日本人家庭としては扇風機は夏の必需品、来客の為に購入したのはブルガリアかハンガリーの製品でした。お日様は肌を刺すような強さですが木陰に入るとヒンヤリとして汗もかきません。とても爽やかです。そのせいでしょうかフランスにはハンカチが存在しません。日本から来る方が
「お土産に何がいいですか?」
と親切に聞いて下さった時は厚かましくも遠慮なくハンカチとストッキングをお願いしました。フランスのストッキングは品質が悪くてとても高いのです。そのせいかフランス人は素足で靴を履きます。湿度が低いので大丈夫なのです。冬は大抵パンツスタイルになりスカートをはいてストキングを履いているのは裕福な人という事になります。

東 明江

 

 

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