続おぼろげ記憶帖 (4) 180度真反対の日本とフランス vol.3

お金(おつり)の数え方 日本で買い物をしておつりを受け取る時、例えば商品代1250円の支払いに千円札2枚を出したとします。一発でおつり750円を頂きます。フランスでは商品代とおつりの合計が2000円になるように計算します。先ず商品1250円、50円を出して1300円、百円玉を一枚ずつ出しながら1400,1500~1800,1900、はい!2000円です。偉い数学者はいても一般人は数字に弱く今でも片手を開いて反対の指で抑えながら計算しています。どのように指を使うのかは知らないのですが。令和になってスーパーマーケットその他の多くの店が支払い機に自分でお金を入れて精算する時は硬貨が先に出て次にお札が出てきます。時代が変わりました。進歩したのか退化したのかどちらでしょうか?

商業の町大阪で育った私の子供時代は珠算道場つまり“そろばん学校”に大抵の子は通っていました。自分のクラスの時間になるまで道一杯にかくれんぼや缶蹴り、ケンパなど子供の遊び場だったのです。今思うとご近所の人たちはどんなに騒々しく迷惑だったろうと思います。でも叱られたことも、そろばんの先生からの注意もありませんでした。級は5,6級から3,2,1級と進みます。読み上げ暗算というのがありそろばんを頭に描きながら手の指の動きで答えを出します。私はやっと3級。でもつい最近まで空を見て指を動かし2桁の足し算・引き算を暗算でしていました。ご近所には全国大会に出て優勝した人もいました。今はもう手短かに便利な計算機、スマホにもアプリがありますからそろばん学校は無くなっているでしょう。中学の同級生の女の子でそろばん塾を開いていた人がありました。先年同窓会に出席しましたら亡くなられたと聞いて時代の区切りをその友を偲ぶとともに深く感じたことでした。フランスにもしそろばん塾はあればどのようなことになっていたでしょう? そもそもお稽古ごとというものを長い滞在の間聞いたことがないと今更ながら思い起こしています。

東 明江

 

 

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