オランダに赴任して最初にしたことと言えば、外国人登録と自動車運転免許の切り替えであった。その際、証明写真を撮るが、まずそこから勝手が少し違っていた。日本はその種の写真は真正面を向いて撮る。しかし、オランダでは、真正面はダメだという、20度くらい斜に構えて、左斜めから耳の形がはっきりと見える写真でなければならないのである。証明用に必要だろうと何枚か日本から持参していた写真は結局使えず、オランダ流に撮り直すことになった。しかし、その撮り方には慣れないためぎこちない表情で写ってしまった。幕末に初めて写真を撮られた人のような感じさえしている。それが運転免許証に貼られてしまったのだ。一応、日本を出る前に忙しいところ時間を割いてわざわざ二俣川の運転免許センターまで行って国際免許証というものも発行してもらって行ったが、それも結局使わず仕舞い。その努力は完全に無駄になってしまった。日本の通常の免許証からの切り替えで簡単に済ませることができた。

そして、手にしたオランダの免許証を見て大いに驚いた。そこにはまだ「日本帝国」が活きていたのだ。というのも、そこには「日本帝国免許証からの切り替え」と記載されていたのだ。つまり、免許証に「het Keizerrijk Japan」と堂々と書いてあるのだ。Keizerrijk というのが皇帝の国、つまり帝国ということ。日本には天皇陛下がおられるので、やはりそう呼ばれるのかと思った。ともかく、左の拡大写真をご覧ください。
さらに、この免許は1993年に発行してもらったものだが、この反対側の面にはぎこちなく写った私の顔写真とともに2021年の私の誕生日まで有効とも記載されており、したがってまだ有効なのだ。そして、6年ほどオランダにいたが、日本のような何年毎とかの更新の手続きはなかった。おおらかなものだ。

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