新加坡回想録(40) マレー語とインドネシア語

インドネシア語とマレー語とはほとんど同じだとよく言われるが、はたしてどうのだろうか?

マレー語とインドネシア語は同じそれとも違う?
マレー語とインドネシア語は、共に7世紀にマレー半島やスマトラ島の東海岸で話されていたマレー語(Bahasa Melayu)が起源の言葉である。現在はインドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、タイ南部、フィリピン南部などで話されており、インドネシアではインドネシア語、マレーシアではマレー語(マレーシア語)と呼ばれている。

もともと同じ言語なので、インドネシア語とマレー語でコミュニケーションは可能だが、単語のスペルや意味が微妙に違ったり、全く別の意味や単語になることもあるので注意が必要だ。実際にインドネシア人とマレーシア人が話をしてお互いに誤解することもあると聞く。

マレー語の文字については、イギリス植民地時代にそれまでマラッカ王朝が採用していたジャウイ文字が現在のアルファベットに置き換えられ、マレーシア独立の際に正式に採択された。もしも、ジャウイ文字による綴りが採択されていたら日本人には簡単に読めないマレー語になっていたかもしれない。

インドネシア語とマレー語はよく似ているが、全く同じというわけではない。

1.意味は同じでも、スペルや発音の多少違う単語

日本語 インドネシア語 マレー語
delapan ドゥラパン lapan ラパン
警察官 polisi ポリシ polis ポリス
バス bus ブス bas バス
タクシー taksi タクシ teksi テクシ
stasiun スタシウン stesen ステセン
菓子 kue クエ kuih クイ
mie ミ mi ミ

2.スペルが同じでも、意味の違う単語

インドネシア語やマレー語の意味を知らずに次の単語を使うと、話が食い違ってしまいます。

インドネシア語・マレー語 インドネシア語の意味 マレー語の意味
pejabat プジャバッ 公務員 事務所
kakitangan カキタンガン 部下・手下 会社員
ibu イブ あなた(目上の女性)・母親 母親
kereta クレタ 列車

(西 敏)

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