その名前を聞くと、日本人なら誰でも「えっ!」とちょっと驚きを隠せない名前ではあります。でもご心配なく、これはれっきとしたインドネシアにある山の名前です。キンタマーニはデンパサールから車で約2時間半ほどに位置する標高約1500mの高原で、バリ有数の避暑地、リゾート地です。

アグン山(2153m)、バトゥール山(1717m)など高山に囲まれ、自然豊かな環境にあります。バトゥール湖は三日月形のカルデラ湖で、活火山であるバトゥール山のクレーターによりできたものです。湖畔には温泉も湧いており、外輪に、キンタマーニ、バトゥール、ペネロカンの村々があります。

ある時、出張でこの地に行くことになりました。というより、どうしても行ってみたかったので、仕事で行けるようにと必死になって商売を作ったというのが本音です。

当時、シンガポールには「Y」という日本のデパートが進出し成功をおさめていました。駐在してすぐ、仕事のあまりなかった私は、すぐにこの会社を訪ね、日本人マネジャーKと毎週末、プライベートでゴルフをして仲良くなっていました。食品関係で何か新しいことを起こそうとすると、やはり現地で力を持った会社を相手にするのがベストでした。

バリ島に何処か商売になりそうな会社がないか調査したところ、缶詰メーカーBがあることがわかりました。製造している商品の中にツナ缶がありました。一方、Yデパートのツナ缶売り場には、いくつかのブランドが取り揃えられ並んでいました。そこで、担当のマネジャーに持ち掛けたのは、「Yデパート」のPB(プライベートブランド)を作らないかという話でした。

マネジャーKは、ツナ缶のPBを作るという話は、今までどの会社からもなかったことで面白いと反応。後は、品質がきちっと管理出来て採算が取れるならやってもいいといい返事をくれました。PBの話は、販売量が増えて一定の数量を超えれば、日本のスーパーなどどの会社も考えることで新しい話ではありませんでしたが、時と場所が違えば成りたつ話でした。

・・・と言う訳で、バリ島に行くことになったのです。朝一番に飛んで、缶詰工場を訪問し、工場の衛生管理を中心に如何に品質が保たれているかを中心に見学しました。ついでに、エビの養殖場を回り次の商売のネタをさぐりつつ無事に仕事を終えました。週末に合わせていたので、宿泊はキンタマーニ山の頂上にあるホテルに泊まりました。

このホテル、標高が高いので部屋には暖炉がありましたが、夜中に寒くて目が覚めるほどでした。こんな南の国に来て暖炉に当たるというこれまた貴重な経験をしました。翌朝はゆっくり起きて、併設されているゴルフ場でたっぷりとプレーを楽しみ帰国の途につきました。マネジャーKは大喜び。おかげで、ツナ缶の輸入もうまくいき、その後も同社とは良い関係が続きました。

蓬城 新

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