一枚の写真から

ただ日常の一瞬を切り取っただけに見えるこの一枚の写真が、妙に私を惹きつけた。ポワロ風に言うなら灰色の脳細胞を刺激して止まない・・・つまり、とても面白くて気に入ってしまったのだ。

何故かいつまでも頭の片隅に残りなかなか消えないので、ここは、これを掻き出すためにこの写真について考察してみたいと思う。

隣同士の二軒の家の窓。一方にはかの大英帝国の国旗・ユニオンジャックが。そしてもう一方にはただの白いテープが窓ガラスにX印に貼り付けられている。この対比が面白い。でも、いったいこれは何?

撮影の場所は、川崎市多摩区中野島。都心から多摩川を渡ってすぐのところにあり、その昔梨畑がたくさんあったという名残がまだ残る静かで平和な町である。撮影の日付を見ると、2019年10月20日。特に何かがあったような日ではない。勿論、殺人事件も起きていない。とすると、この二軒の窓は何を意味しているのだろうか?

目立つのはユニオンジャック。住人は英国趣味の人なのか。ひょっとして、靴もベルトも財布もネクタイも、はたまたライターもDunhillだったりして。或いは、英国旅行のお土産?それはないだろう。じゃあ、ラグビーかサッカーファン?いや、それもない。何故なら、両方ともイングランド、ウエールズ、スコットランドなどに分かれているからユニオンジャックにはならない。う~ん分からない。

一方の白いテープの窓の住人は? ひょっとして、割れてしまった窓ガラスを一時的に止めているだけ? それとも苦学生が余分の出費を惜しんで修理する気はない? 違うな。テープの貼り方がまっすぐ過ぎる。割れたのなら、普通もう少し形が崩れるはずだ。

まてよ、そういえば最近、大型台風があったな。そうだ、10月12日に日本に上陸した台風19号は、関東、甲信、東北地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらした。そうか、そういえば、テレビでも盛んに放送されていた。「窓ガラスの飛散防止にテープを貼るのがおすすめ」と。そして、かなり多くの家庭で実行されたと聞く。

とすれば、右の家は、台風対策でテープを貼ったが忙しくてまだ取りはずしていないのか。或いは、次の台風を予測してそのままにしているのかもしれない。では、ユニオンジャックの方は?ひょっとして、ここの住人は洒落っ気のある人なのかもしれない。飛散防止テープの形に似たユニオンジャックを窓に貼って一人楽しんでいるのかな。

とまあ、1枚の写真から、こんなことを考えたのだが、私は普通じゃないのかな?不可解な奇妙な事件もないし、熱中できる仕事がなく暇を持て余している人間のすることだよな。
ワトソン君、君はどう思う?

 

シャーロック

 

(Henkさんの投稿写真が気にって、コメントをするつもりでしたが、長くなるので記事にしてみました。)

 

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