こうちゃんの想い出 13 しつけ(4)プロに頼む

孔ちゃんが我が家にきてからというもの、他人に迷惑をかけない立派な犬に育てようと、しつけにはずいぶん気を使いました。最初は、たくさん買った本でそれなりに勉強していましたが、「待て!」や「おすわり!」など簡単なことは直ぐに覚えてもそれ以上のこと、例えば、散歩のときには横に並ぶようにすべきであることなどはなかなか直せませんでした。

散歩をしているのを見て、犬と人間が横にピッタリと並んでいるのは良い姿なのです。でもどうでしょう。よく見る光景は、犬がどんどん先に歩き、人間はそれに引っ張られるようにしていませんか。この光景は、犬の好きなように自由にさせている訳で、本来ならば犬が幸せな姿で自然なのかもしれません。でも、しつけという観点からするとよくないのです。盲導犬がこのようだと困ったことになります。

犬も人間社会で共存していくためには、他人に迷惑をかけないという形にすべきなのは当然と言えるでしょう。このような訓練は素人にはとても難しいことです。ここはプロの訓練士にお願いするしか方法がないという判断で、結局、公認訓練士の方に出張をお願いすることにしました。

やってきたのは、JKCジャパンケンネルクラブ、PD日本警察犬協会の公認訓練士のKさんでした。ハイムまでご足労願い、一から孔ちゃんを訓練していただきました。初めて会ったにも関わらず、吠えもせず、既になついているかのようだったのはさすがにプロだなと思わせることでした。

最初にやったことは、「おすわり」をさせた後、「待て」と言って10メートルほど下がり、そのままずっと待っていることが出来るようにしました。訓練士がやって見せた後、飼い主に同じことをさせてできるかどうかを見極めます。なるほど割と簡単に出来ました。賢い、出来るコなのです。

次にやったことは、正面に向かい合っている状態から、右手で8の字のように弧を描いて自分の横にピタリと座るように誘導する所作でした。訓練士がやると簡単にできることが、我々がやってもなかなかその通りにはできないことがわかり、やはりプロは大したものだと思いました。これも何度かやるうちに出来ました。

今回のことで警察犬や、盲導犬などは、このようにしてしつけているのだということがよくわかりました。正直言うと、料金はそこそこ高いものでした。訓練士の方に伺うと、一般的な家庭ではそこまでやるところは少ないということです。フード代や病院費用など結構出費があることが理由だろうということでした。

実は、わが家では、ペットの保険には加入してなかったので、毎月払う保険料のことを思えば、当初のしつけの料金くらいは払おうと思った次第です。晩年、結果的に病院にかかった時は保険なしのため料金は高額になりましたが、病気の期間はそれほど長くはなかったので、まずまず親孝行なこうちゃんでした。

西  敏

 

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