マンションの管理組合が運営するHPは、通常、理事会からの報告事項や住民の生活に便利な情報を掲載するもので、それ以上のものにはなりにくいものです。ところが我が「ハイムのひろば」は、「美術館」や「文芸館」「緑の環境委員会」など、他の管理組合では見られないプラスアルファの発展を遂げています。
「HPは、発信者と閲覧者の相互交流が盛んなほど発展する」と信じて展開しているからと自負しております。「ハイム蝶百科図鑑」に至っては、タウンニュースや東京新聞に紹介されるほどの結果を残してきました。
これは偏に、日頃からご協力いただいている読者のみなさんのご協力と「つくる会」のスタッフの努力によるところが大きいと思います。中でも、たまたまご覧いただいたスタッフの友人・知人が、ハイムとは直接関係ないにも関わらず、外部から熱心に応援していただき、投稿、コメントなど積極的に参加いただくことで大きな飛躍を遂げています。
さて、今の状況を今後も継続していけるのかどうかと考えた時に、いくらかの問題があることに気がつきました。「ハイムのひろば」を維持運営しているスタッフは、中高年(というよりもむしろ老年)に属する者が多く、健康問題その他諸事情があります。サイトが発展すればするほど投稿や維持作業に忙しくなりそれが喜びに繋がるのですが、気持ちはあっても身体がついていかないという状況があります。
2018年4月リニューアル・オープン以来2年半が経過した頃、新しい企画を打ち出しました。それは、投稿をよりし易くする方法でした。つまり、従来の基本である「ID保有者の投稿により記事を掲載する」ことから「ID不要でも投稿できるシステム」の構築です。最も容易に投稿できる(参加できる)方法は、ID不要、ログイン不要で投稿可能ないわゆる「掲示板方式」です。賛否両論あるものの、あの有名な「2ちゃんねる」がこの方式を採用していることでもわかります。
ハイムのひろばには、過去「井戸端トーク」という掲示板方式の誰でも参加、投稿できるものがありました。そこでこれを拡大する形でみなさんからの投稿の活性化を期待できる方式を検討してきました。そして、その次に企画、実行されたのが、「みんなのひろば」(井戸端トーク拡大版)でした。従来と違った点は、様々なテーマごとに別のフォーラム掲示板があり、共通の話題(テーマ)について集中して書き込みができることでした。
この企画は一定期間、順調に進んでいるように見えたのですが、そのうち次第に投稿が減り盛り上がりに欠ける状態になりました。企画、アイデアに問題があったとは思いません。最大の理由はスタッフの努力不足であったと思われます。外部の協力者にも幅広く呼びかけましたが、冷静に考えて見ると、もともと他人の運営するサイト(しかも一マンションのホームページ)に外部からどんどん投稿するなど考えにくいことです。
結局、掲示板スタイルでの投稿欄はひとつにまとめて「おしゃべりひろば」として残しました。特にテーマを設定せず、ハイムで生活する中で思うことを何でも書いていよい場所です。結果的にもとの「井戸端トーク」に戻った感じです。
ー----
これまで、笑説と称して、活動中に起きたことをシリーズ化して書いてきました。こんなことを、わざわざ書き残す必要があるのかと思われる方もいるかもしれません。私の思いは次の通りです。ハイムのひろばの運営に携わってきた我々メンバーは、60歳台から70歳台という高年齢者が中心となっています。この活動が、次々と若い世代に引き継がれていけば何も心配する必要がないのですが、現実は容易いことではありません。
もし後継者が現れなければ、数年後には自動消滅するでしょう。しかしもし後継者が現れて引き継がれていくのなら、その時のために自分たちがトライしてきたこと、うまくいったこと、うまくいかなかったことをつぶさに伝えておきたいのです。トラブルが起きた時の対処の仕方など何か問題が生じた時のヒントになればいいというのが考えです。
口頭で継承できることは少ないです。記事として残しておけば何年経っても読むことができます。私の思いはそんなところにあります。
蓬城 新