笑説「ハイムのひろば」20~真夏の怪奇現象!

それはつくる会の勉強会の席上で起こった。7月のある水曜日のこと、管理棟洋室にはつくる会のメンバー数名が集まっていた。昨年からコロナ禍の影響でなかなか集まることが出来ず、その日は何カ月ぶりかの顔合わせとなっていた。

久しぶりにお互いの顔を見るメンバーの会話は、ワクチン接種の進捗状況の確認から始まるのがこのところの常である。各々自分のバソコンを持ち込んでそれぞれの課題に取り組みながら、共通事項であるハイムのひろばのトップページや美術館の改装についての打ち合わせに余念がなかった。

その日のメインの課題を済ませた頃、ガーデニングクラブや社交ダンス倶楽部で活躍している鈴風久仁子がサイドバーにあるバナーの設置について質問を投げかけた。西野敏彦と山名賢治はその質問に答えるべく、ほとんど同時にウィジェットの管理画面にアクセスした。すると真っ白な画面が現れた。アクセスできていないのか。いやアクセスは出来ているがそこにウィジェットがない!

二人は揃って首を傾げた。その画面は殆ど真っ白で、これまでに営々と作り上げてきた各ウィジェットのすべてが消えてしまっているのだ。いったい何が起こったのだろうか? これは真夏の怪奇現象なのか!稲川淳二もビックリ、そんなことは信じられない。

一瞬この部屋で設定しているWi-Fiの調子が悪いのか、はたまた、サーバーの方に問題が生じているのかと思ったが、事はそんな単純なことではないようだ。自宅でほんの2、3時間前まで問題なく作動していた画面が突然見えなくなっている。これでは、以前の事態と同じようなものだ。そう、2年前、宮下直近が「ひろばが真っ白です!」と叫びながら西野に電話をかけてきたあの時と!

ただ、少し冷静になってそのページをよく見ると、画面の端の方に「18個のウィジェットが設定されている」との文字が読み取れる。ということは、少なくとも設定したものが消えてなくなった訳ではないことがわかる。それらは「表示されていない」だけで何処かにはあるのだ。理由はわからないが。

こんな時、最近の西野はいつも、ネット上にそれに関する情報が出ていないか検索することにしている。昔では考えられないことだが、今はあらゆる情報がネット上に溢れているのだ。情報過多でどの情報を信用すればよいのか判断に困ることもあるが、そこは情報リテラシーの問題だ。自分に役立つ有効なものだけを取り上げればよい。

トラブルに見舞われた時など、同様の問題を解決した経験者のページはとても役に立つ。西野はこれまでにも何度か恩恵を受けている。しかし、今日はすぐには答えがみつからない。山名の方も解決の糸口を見つけることが出来ず、会議の終了時間が迫ったので、結局この日は未解決のまま解散する以外になかった。

西野は、この問題は直ぐに必要な手を打たないと大変なことになると責任感をひしひしと感じながら自宅に向かう。ただ今日はランチを作る時間がないので、久しぶりにモスでとびきりバーガーを買って帰ることにしていた。カウンターに腰かけて注文した商品を待つ間も、あの画面が浮かんでくる。何故なのか?

久しぶりのバーガーとスープで簡単にランチをすませてパソコンに向かった。午前中の打ち合わせで週末までに作ると約束した美術館のバナー作成の予定を変更してトラブル解決に取り掛かる。ハイムのひろばで起こったトラブルは、他の姉妹サイトでも起こる可能性が高いからだ。ここで解決方法を見つけておけば姉妹サイトのトラブルは事前に防げる。というより、解決できなければ大変なことになる!

暫く検索していて、これはと思う記事に眼が吸い付けられた。まさに今経験しているトラブルの解決法が書いてある。助かった。天の恵み!直ぐに試してみると問題なくウィジェット画面が現れた。短時間で対処法が分かってほっとする。原因が分かってみればなんと言うことはない。

そう、原因は、またもやWordPressのバージョンアップによるものだった。忘れもしない、山咲淑子を恐怖のどん底につき落とした、あの画面グルグル事件以来だ。画面の違いこそあれ、またまた予告もなく一瞬のうちに我々を恐怖の底に陥れた。バージョンアップとはかくも恐ろしきものか!

しかし、予告もなくと言うのはこちらの勝手な言い分で、WordPressはそのことをきちんと説明しているのだ。バージョンアップされた時に現れる画面で何が変わったのかが分かるようになっている。我々が不注意なだけである。しかも、前回同様それを解決するためのプラグインも既に開発されている。

ただ、前回のトラブル発生時と様子が違ったのは、前回は、v4.9から5.0という大台替わりであったのに対し、今回は、v5.7 から v5.8 と大台替わりではなかった点だ。このことで、マイナーチェンジでは大きく変わるはずはないと高をくくっていたのが間違いだった。

WordPressの現状では、BlockEditor(未経験)が標準となっており、旧式のClassicEditirを利用している我々は既に遅れていると言える。今回の新しいウィジェット仕様も、このBlockEditor用に開発されたもので、我々が追いつけていないことを認識すべきなのだ。

世界中の技術者のボランティア活動によって日々開発されているWordPressの内部時事情までは知る由もないが、今回のことで、そろそろ標準仕様に従うべき時期ではと感じ始めている。つまり、これまで避けてきた新しいエディター「ブロックエディター(BlockEditor)」を使いこなせるようになる必要があると思う。

いずれにせよ取りあえず解決できてほっとした。もし、この出来事が怪奇現象のまま解決できないでいたら、いつまでもその亡霊に怯えていたかもしれないと思うとぞっとする。「日々あらた"新"」を肝に銘じようと思う。

蓬城 "新"
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笑説「ハイムのひろば」は前回の”19”で一旦終了したつもりだったが、どうしても書かなければいけない事態が起こってしまった。また続くかもしれない。

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