笑説「ハイムのひろば」34 ハイム花の図鑑

2021年の正月が明けてしばらくして、西野は今年の新しい展開について考えていた。2018年から2020年までの3年間で、メインサイト「ハイムのひろば」のコンテンツはまざまな分野に行きわたり、作ったカテゴリーの数は増える一方だった。

何でもありのサイトはそれはそれでいいのだが、「ウェブサイトのテーマは絞れば絞るほどよい」という格言もある。コンテンツが増え過ぎて一つのサイトでは収まり切れなくなった場合は、テーマを絞った新たなサイトを作るのがよいとされている。

実は、ハイムのひろばではオープンした当初からこの言葉を実践していった。2018年のうちにグループ(姉妹)サイトとして「緑の環境委員会」「赤ちゃんクラブ」「美術館」「文芸館」をスピンアウトさせた。さらに翌2019年には、「ハイム蝶百科図鑑」「クイズのひろば」と続き、この時点でつくる会として管理するサイトは7つとなった。

この間、「パソコンクラブ」「歩く会」「休日ハイキング」「社交ダンス倶楽部」「ハーモニカ」「太極拳」とハイムクラブ専用のサイトも出来て、その管理は各クラブに任せた。合計すると、13のサイトになる。ハイムクラブのサイトは元々テーマが絞られている。クラブの数は他にもまだまだあるが、管理者の問題からこれ以上には手をつけていない。

さて、これだけ多岐に亘るサイトが既にある中で、多くの住民に関心のあるテーマがあるだろうか。考えてみたがなかなか見当たらない。ただひとつだけ頭に浮かんだのは「花」というテーマだった。ただ、ハイムには元々「ガーデニングクラブ」があり、ウェブサイトもありメンバーによって管理されている。たまに、ハイムのひろばにも、ガーデニングクラブ情報が寄せられることもある。

ハイム内でテーマの重なるサイトがあるのはよしとしないので、ここは慎重に進めるべきであろうと考え、改めて既設のガーデニングクラブのサイトを見てみることにした。そこでは、実際にハイムに植えられている花・植物の名前を一覧できたり、季節ごとの花の植え替えや活動状況が報告されていた。

これはこれで立派なものなので是非続けていただきたいと思う。ただ一つ残念なのは、更新頻度が少ないことである。内容が良くても更新されないサイトは生きているとは言い難い。原因はおそらくスタッフ不足と思われる。ホームページの更新作業の出来るメンバーが十分にいないのだろう。このサイトはWordPressは使用していないのでつくる会スタッフも応援できない。

住民の数ある関心事の中で毎日目にする”花”は大きなテーマであることは間違いない。何とかひろばのグループでも花のサイトを作りたい。そこで、基本的に内容がかぶらないものにしよう。既設のサイトには無いコンテンツにすることで双方が協力できるはずだ。西野は、考えをまとめてガーデニングクラブ管理者に伺いを立てて了承してもらった。

まず、考えたのは、「図鑑」だ。綺麗な花を見かけてもその花の名前を全部言い当てられる人はそう多くない。そんな時今なら、パソコンやスマホで名前を検索するだろう。みんなが興味を持って調べた結果をこのサイトに集結させるような形にすればよいのではないか。サイト名は「ハイム花の図鑑」と決定した。

花の数は無限にある。そのひとつひとつについて書物やネットで調べて記録していく作業は半端なく大変な作業だ。一定のボリュームにするまでは相当の時間がかかる。この作業をメンバーにお願いできるだろうかと西野は考えたがやめることにした。そんな先の見えない作業を押しつけて迷惑をかけるわけにはいかない。ここは自分一人でやるしかないと決心して月例会でもそう宣言した。

新しいサイト「花の図鑑」をスタートして3か月ほど経った時だったろうか。西野は日々図鑑のための記事投稿に余念がなかったが、持病のヘルニアの症状が出て休まざるを得なくなっていた。そんな時、予想外のことが起こった。強力な助っ人が現れたのだ。その人はソフィー杉下である。

本題とは少し横道に逸れるが、この人物について少し説明が必要であろう。ソフィー杉下はつくる会スタッフの友人で、元々ハイムのひろばを見て気に入り、時々外部から投稿してくれていた。後には文芸館にも寄稿して参加してくれるようになった。元々は声楽家であるが、大学時代の友人たちと結成した「福沢諭吉クラブ」でメールマガジンを発行していた。

その後、投稿などについてメールでやり取りするようになり、ウェブサイト運営に興味を持っていることがわかった。西野が個人で運営しているサイトにも積極的に投稿してくれるようになっていたが、ここで問題が生じた。このサイトの容量が一杯でとなり、これ以上拡大できなくなってしまい、彼女の意欲を削ぐ形になってしまった。

考えた末に西野が出した結論は、彼女に対して自分のサイトを持つことの提案だった。あれだけ積極的な投稿意欲があれば自分のサイトに好きなだけ投稿できる。それは、西野がいつも友人たちに勧めているウェブ活動による脳の活性化に繋がることなのだ。提案に対しての杉下の答えは「Yes」だった。

ただ、そのためにはWordPressを一から覚えてもらわなければならない。土台だけは作り上げても、手渡した後は投稿だけでなく全てを自分で管理・運営する必要があるので簡単ではない。ただ熱心さを感じていたので西野はこの人なら出来ると確信した。アドバイスはすべてメールを介してになるが、できるまで責任は西野にあった。結果できたサイトは「ゆきちくらぶ」である。

時を戻そう!(ぺこぱの松陰寺か!)

図鑑の記事投稿を初めて間もなくヘルニアのために記事が途絶えがちになりかけた時、強力な助っ人・ソフィー杉下が現れ「花の図鑑」への彼女の熱心な投稿が始まった。植物への造詣が深く、さまざまな植物を育てた経験も豊富のようだ。彼女からの自主的なアイデアとして「有用植物活用法」というコーナーまで作ってくれた。これは私自身考えていなかったことで、サイトを充実させるアイデアのひとつになった。

2022年が明けて、昨年春から始めた投稿記事はようやく400を超えた。1日1記事くらいは実施した計算になる。この間、上記のソフィー杉下の応援投稿が貢献したことは間違いない。図鑑として一応の形はできつつあるがまだまだ不十分である。もう1年は頑張らないといけないと思っている。

今、もうひとつ進めているアイデアは「親子でみち草散歩」だ。散歩しながら子どもに教えてあげられる草花の図鑑を目指している。これについてはまた別の機会に報告しよう。乞うご期待!

蓬城 新

 

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