フランスあれこれ86 クロックムッシュウ
この言葉、、皆さんご存知ですか?一口で言えばフランスの焼きサンドというところです。図書館で適当に本の立ち見をしていた時、この単語を発見しました。それによると、1910年、マドレーヌ寺院から延びるキャプシーン街道で誕生、その痕跡を求めて訪ね歩くというエッセイでした。残念ながらその結果クロックムッシュウの原籍を見つけることが出来ずに終わったようですが、私には一つの思い出がよみがえりました。
初めてパリに赴任した夜は事務所の近くのホテルに一泊、翌日早速出社したのですが、待っていたのは、その日の午後にも田舎の町ロワール地方の中心都市トウールにフランス語の語学研修に出掛けるようにという指示でした。私の赴任が予定より遅れていたということでしょう。
昼ご飯だけは一緒にと日本人若手三人で近くのカフェに出向きました。ここでオーダーしたのがクロックムッシュウとニース風サラダです。このカフェは正にマドレーヌ寺院の麓、キャプシーン街道からちょっと入ったところにあり、街道からも見えるし利用者でいつも賑わっています。
さてクロックムッシュウですが、写真でご覧頂くように薄切りのパンにハムとチーズ(グルイエール)を挟んで焼いたものです。
『最初の食事がサンドイッチか』と思った印象は味の良さで一変、この名前は覚えておこうと考えて「時計紳士」と記憶したものです。トッピングを卵にしたものがクロックマダムだとは後日知ったことでした。(時計はClock、こちらはCroqueですが、日本人の発音では同じです)
その後、家内がご近所のパン屋さんに教えられたと言って購入したホットサンドメーカーを使って我が家流のクロックムッシュウを開発、以来50年以上、今も大活躍しています。説明よりご覧頂きましょう。
我が家での飲み会で再三登場、皆さんから好評を頂いています。
ご参考までに、多摩図書館での立ち読みの本は「パリ20区物語」吉村葉子(著)です。